「「角川武蔵野文学賞」」を含む小説

社長に誘われ、くず掃きイベントに参加する私。 命じられるがまま、参加者たちの姿をカメラに収めていく。 森の片隅に追いやられ、落ち葉プールが作られた後は、子どもたちに踏みにじられ、…

　この、井の頭公園の守り神としてまつられている弁財天。弁財天の前には、たくさんのスワンボート。そして、それをこぐ若いカップル。 　弁財天は怒りに燃えていた。 　悔しい。なぜ、あや…

朝青龍が相撲界に君臨していた時代に、国技館からの中継に時折映り込む少女がいた。僕は彼女と思わぬ場所で「再会」することになる。

4歳の誕生祝いの席、太宰治を水死体の人として知った「私」。 親が故人となり、実家がなくなる時、それを思い出しながら郷里に流れる玉川上水を訪れる。 変わり続ける街に故郷の縁を探すが…

初めから夢を見なければ、こんなにも惨めな思いはしなかったのだろうか。 現実を知らなければ、自分が脇役であると気づかなければ、今も夢を追いかけていただろうか。 そういえば、自分は…

角川武蔵野文学賞向け作品。 玉川上水を作った玉川兄弟や名もなき役人達の苦労を簡単にお話口調で書いてみました。 玉川上水と言えば有名なあの方も出ます。 ところで現在の玉川上水…

彼女と出会ったのはアメリカとメキシコの国境の街――エルパソだった。 日本を遠く離れて、ひとりで海外にくると、なぜか日本の風景を思い出す。 荒野の砂漠と故郷の空。 似ても似つかない…

「第3回角川武蔵野文学賞」に向けて書きました。 高校生二人組が、武蔵野の水辺や史跡をぶらぶら歩き回るお話です。 ＝＝＝（2023/07/28追記） 本作は、皆様に応援して頂いた…

　 　初めて武蔵野の月を見たときは驚いた―――それはあまりに空っぽだったのだ。 　空っぽ、というのはつまり、この土地だから、というものが何もないということだ。ただそこに月が浮かん…

都会のマンションにジャージー牛、アスファルトに魚たち。少年は過去の武蔵野に生きていた生物を見る目を持っていた。ある日、きれいなお姉さんに頼まれて、かつて流れていた川の源流を探すこ…

【まえがき的なやつ】 『第3回角川武蔵野文学賞』への参加作品第二弾です。 第一弾の参加作品も川が舞台でした。僕の書くものは、似ているというか、ワンパターンというか。 10月25日…

かつて都内で住んでいた女性が男友達の家に滞在する事になった。恋仲でもないのに、肉体関係を求めてくる彼の心理を上手く受け止めれないまま一夜を過ごす。しかし彼にはある思いがあり彼女に…

遥か、遥か昔の、武蔵野の森の中で。 幼い頃から寄り添った、とある二つの命があった。 その二つの命はそれぞれの生を終えた後、 大いなる命の源流で時折顔を出しては沈み。 離れては、…

小学生の晴斗くんは綺麗な緑色の卵を拾いました。 果たしてそれは何の卵なのでしょうか。 晴斗くんは近所のお年寄りたちと卵の謎に迫ります。

16歳の私に託されたのは、生きて、残る　ことであった。 歳を経て人生の終日が迫りくる中で、ようやく全員の思いを、生きて、残る　ことができた。 生き残るでも、生きて残す、でもな…

神無月。 神々が出雲へと出払っている中で、全国津々浦々の妖怪達が、ある場所に集まり、あーでも無いこーでも無いと喧喧諤諤の議論を交わしているのである。 その場所とは意外や意外。 …

美咲は、勇気を振り絞ってその場所へ行った。 しかし、相手は現れない。 意気消沈している所に声を掛けてきたのは、年の離れた……。

【まえがき的なやつ】 『第3回角川武蔵野文学賞』への参加作品です。 勢いだけで書き切ったのですが、勢いだけで書くのは本当に楽しい、 これはくせになる。笑 話の展開がちょっぴり（だ…

男子高校生の須野皐月(すの さつき)は、下校中に「武蔵野の天使様」であるしのと邂逅する。 しのは五百年に一度、武蔵野に訪れる存在で―― ＊「第3回角川武蔵野文学賞(武蔵野×ラ…

　俺は本当に、家族のために頑張ってきた！ 　それのどこがいけなかったというんだ！？ 　――現代家庭でありがちな思い込みを問いただす問題作。 　第3回角川武蔵野文学賞の武蔵野×一…