
9/1(月)まで募集中の「カクヨム短歌賞」。
10首連作部門と1首部門の2部門があるので、ぜひ気になるほうに応募してみてください!
今回は1首部門の企画「カクヨム短歌塾」の最終回です。
初心者の方も、ふだんから短歌を作っている方も、ぜひチャレンジをお待ちしています。
▼「カクヨム短歌賞」への応募方法・応募要項はこちら kakuyomu.jp
お題その5「セリフで1首作ってみよう」
最終回のお題は「セリフで1首作ってみよう」。
締切は「カクヨム短歌賞」の応募終了と同じ、9/1(月)12:00です。
実は、セリフ=誰かの発話だけで1首作るというのも現代の短歌ではときどき見られる作り方なのです。
小説をよく書く人にとっては、特に楽しく遊べるお題かもしれません。名言&迷言祭り、ここに開催です!
小説から抜き出してきたようなもの、実際に自分が誰かに言われたこと、街中でふと聞こえたつぶやき、なんでもかんでも57577にしちゃいましょう!
「この調子で野球がうまくなっちゃうともうサッカーをやれなくなるよ」
「イルカってクジラらしいよ」「えっ、つまりクジラってイルカってこと?」「そう」
どちらの例歌も、最近トリが聞いた発言をもとに作ってみました。
なお、カギカッコはあってもなくてもOK! 無限の妄想が広がるセリフをお待ちしています。
ポイント① 説明せず想像させる
セリフだけをぽつんと投稿するとき、背景がわかってもらえるか不安になると思います。
しかし57577という短いスパンでちゃんと説明をしようとすると、セリフのインパクトはどうしても削られてしまうもの。
ここは覚悟を決めて、「状況を説明せず、想像させる」短歌をめざしてみましょう。
案外、自分が思っていたのと全然違う読み方をされるのもおもしろいかもしれません!
ポイント② 会話にするのもアリ
「セリフ」だけでなく、「会話」を短歌にするのもアリです。
漫才のような掛け合いとか、別れ際の恋人たちの切ないやり取りとか、そういったものを1首に落とし込んでみましょう。
それまでの文脈を含めて感動する小説とはまた一風違った、「文脈がわからないからこそいろいろ妄想できる」という短歌の美点に触れられると思います。
お題その3「思考と情景を組み合わせよう」の作品紹介
第3回のお題「思考と情景を組み合わせよう」では、307首の短歌を応募いただきました。ありがとうございました!
そのなかから、トリが気になった以下3首をご紹介します。
金魚には金魚の祈りがあるだろう 天神祭の船の行き交い
作者:ばやし せいず(作品ページ)
横たわるトイプードルの茶色い毛 曜日感覚
作者:烏川 ハル(作品ページ)
首を振る扇風機前居座りて もずくよりもめかぶ派なんです
作者:天石蓮(作品ページ)
2首目、上句が情景で下句が思考。「トイプードル」と「曜日感覚」には一見つながりがないのですが、「横たわるトイプードル」のリラックスした様子に夏休みの間延びした時間感覚を見たのかも?という気もしました。とはいえ、無理に結び付けなくてもじゅうぶんいい雰囲気が出ています。
3首目、こちらも上句が情景で下句が思考。これはほんとうに突拍子もない組み合わせで、おもわず笑ってしまいました。でもこういうこだわりって大事です。「扇風機」と「もずく」「めかぶ」といった語に夏を感じますね。下の句の句またがりも勢いがあってステキでした。
ここでは取り上げきれなかった歌も、どれもすばらしかったです!
「思考と情景を組み合わせる」というのは、もしかしたら現代短歌でもっとも多く作られているパターンかもしれません。
ぜひ今後もいろんな組み合わせを試してみてください!
「お題で詠もう!カクヨム短歌塾」とは?
① 毎週月曜日にお題を発表
② 次の月曜日までに、お題に即した短歌を「カクヨム短歌賞 1首部門」に応募
※エピソード本文内に【カクヨム短歌塾】の文字を入れてください。
③ トリが気になった短歌をコメントつきでご紹介
お題はどれも、短歌のよくある作り方の解説を兼ねています。
「カクヨム短歌賞」の応募終了日である9/1(月)まで、全5回開催予定。
短歌の作り方にお悩みの方も、ぜひこれを機にチャレンジしていただけると幸いです!
※対象は「カクヨム短歌賞」の「1首部門」です。「10首連作部門」は対象外なのでご注意ください。
※トリのコメントは、選考とは関係ありません。
▼「カクヨム短歌塾」過去回はこちら


