【お題で詠もう!カクヨム短歌塾】第4回・第5回の作品紹介+α

9/1(月)まで募集していた「カクヨム短歌賞」。現在は10首連作部門・1首部門ともに選考中です。

1首部門では、初めて短歌にチャレンジする方への支援企画として「カクヨム短歌塾」を開催していました。 この記事では、第4回お題「比喩を使ってみよう」・第5回お題「セリフで1首作ってみよう」の作品をいくつかご紹介していきます。
あわせて、全5回の応募数なども掲載しているので、気になった方はぜひご一読ください。

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お題その4「比喩を使ってみよう」の作品紹介

第4回のお題「比喩を使ってみよう」では、291首の短歌を応募いただきました。ありがとうございました!
そのなかから、トリが気になった以下3首をご紹介します。

白滝のような氷柱つららを見た朝に「今夜は鍋にしようね」と言う
作者:苦味質(作品ページ

大笑いしている顔の音声を消せば大泣きしてるが如し
作者:遠山ゆりえ(作品ページ

忘れ物したかのように三階の窓押し開けて夏風が来た
作者:萩野うづら(作品ページ

トリアイコン
1首目、冷たいはずの〈氷柱〉が、〈白滝のよう〉という比喩を通じて温かい〈お鍋〉を連想させていることにおかしみがあります。それを自分が思ったというだけではなくて、「誰かに言った」というのも温かさを倍増させていてステキですね。

2首目、これは誰もがすぐに共感できるタイプの比喩というより、「この人がそう思った(そう思うような心の状態だった)」ということに力点を置いて読みたい比喩です。〈してる〉という口語的ない抜き言葉と〈如し〉という文語的な表現の組み合わせもギャップがあっておもしろいと思いました。

3首目、日常的な情景(窓をバタンと開けて風が入り込んでくる)を日常的な行為(ドアをバタンと開けて人間が忘れ物を取りに戻る)になぞらえる、共感値の高い比喩が魅力的でした。「風」を「夏風」と捉えているのはこの方の主観で、季節の訪れを喜んでいる祝福感があります。

お題その5「セリフで1首作ってみよう」の作品紹介

第5回のお題「セリフで1首作ってみよう」では、326首の短歌を応募いただきました。ありがとうございました!
そのなかから、トリが気になった以下3首をご紹介します。

「ポテチはね?うすしおだけがあればいいのりしおなんて、パリ⋯⋯ごめんなさい」
作者:かごのぼっち(作品ページ

すききらい すききらいすき きらいすき きらいすききら――もう、やり直し!
作者:小石原淳(作品ページ

「がっかりはしてない」「ほんと?」「がっかりはしてないけれど」「だからなんなのお」
作者:軽井める(作品ページ

トリアイコン
1首目、セリフ短歌の醍醐味といえば「たった一言でその人のキャラが伝わってくる」ことですが、この歌はそれが見事に達成されていました。のりしおが思ったよりおいしかったこの人、かわいいですね。変わり身の早さがすごい。

2首目、読んでいるうちにシチュエーションが見えてきて、最後にオチがつくというのがきれいです。短歌はリズム上「繰り返し」が宿命づけられた詩型ですが、この歌も〈やり直し!〉のあと、初句に戻って何度も花占いを始めてしまうような感じがしました。

3首目、これは二者による会話のパターン。会話ならではの絶妙なディスコミュニケーションがユニークです。「がっかりはしてないけれど」と言ってる人、「だからなんなのお」と言ってる人、両方の表情が目に浮かぶようでした。具体的に何が起こったのかはわかりませんが、なんとなくどちらの気持ちもわかる気がします。

全5回の応募数

どの回もコンスタントに応募がありましたが、第3回・第5回がやや多かった模様。
総参加者数は105名と、非常にたくさんの方にご参加いただきました。ありがとうございました!

「カクヨム短歌賞」1首部門の選考結果は、2026年2月ごろに発表されます。
ぜひお楽しみにお待ちください。


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