
9/1(月)まで募集中の「カクヨム短歌賞」。
10首連作部門と1首部門の2部門があるので、ぜひ気になるほうに応募しててみてください!
今回は1首部門の企画「カクヨム短歌塾」の第3回です。
初心者の方も、ふだんから短歌を作っている方も、ぜひチャレンジをお待ちしています。
▼「カクヨム短歌賞」への応募方法・応募要項はこちら kakuyomu.jp
お題その3「思考と情景を組み合わせよう」
第3回のお題は「思考と情景を組み合わせよう」。
締切は8/18(月)18:00です。
第3回は、第1回+第2回のお題の合わせ技。
第1回でお題にした「客観的な情景」と第2回でお題にした「主観的な思考」を、組み合わせてみるというお題です。
「情景は何文字で思考は何文字」とか「情景が先で思考が後」といった制限は一切ありません。両方が入っていればそれでOKです。
例えばこんな感じです。
馬の目にわたしの顔が映ってる 空はおおきな穴だと思う
人生にいろいろがあり人によっていろいろはいろいろだなあ 海
いわば応用編ですが、あれこれ組み合わせてみるのはきっと楽しいはず。ぜひトライしてみてください!
ポイント① 「組み合わせ」を考えすぎない
思考と情景について、「なぜこの組み合わせなのか?」ということはあまり理屈で考えなくてもよいです。
これは短歌の「あるある」なのですが、考えすぎるとかえって理屈っぽくて破壊力の弱い歌になってしまいがちなのです。
たとえば例に挙げた〈馬の目にわたしの顔が映ってる 空はおおきな穴だと思う〉。
この歌の思考と情景を近づけすぎてしまうと、こんな歌になります。
馬の目にわたしの顔が映ってる 馬の視界はどんなだろうか
悪い歌ではないのですが、世界が「馬の目」に閉じられすぎていて、ちょっと冗長に感じませんか?
いっそ、思考と情景は別々に5~6個作ってみて、その中から「なんとなくいい」組み合わせを探してみるほうが、歌の飛距離が出しやすいかもしれません。
ポイント② 「1字空け」を効果的に使ってみる
現代の短歌では、一般的に「57577」を繋げて、スペースを入れずに書きます。
しかし、意味が区切れるところや余韻を持たせたいところで効果的にスペース(1字空け)を使うと、歌に深みを持たせることができます。
比べてみるとこんな感じです。
馬の目にわたしの顔が映ってる空はおおきな穴だと思う
馬の目にわたしの顔が映ってる 空はおおきな穴だと思う
話がかわるところに間が空いて、スッキリするような感覚がありませんか?
そんな「1字空け」、ぜひ入れられそうな場所があったら入れてみてください(無理に入れなくてもOK)!
お題その1「客観的に描写してみよう」の作品紹介
第1回のお題「客観的に描写してみよう」では、253首の短歌を応募いただきました。ありがとうございました!
そのなかから、トリが気になった以下3首をご紹介します。
目の前にある状況を五七五七七にするお題が出てる
作者:軽井める(作品ページ)
夕暮れの机の上の千円とおやつカルパス二個二個三個
作者:とろり。(作品ページ)
右向きの矢が「OPEN」の右に6左に4個並ぶ小包
作者:巳波 叶居/叭居(作品ページ)
2首目、〈二個二個三個〉という記述に味があります。おそらく7個のおやつカルパスが、2個・2個・3個とくっついた並びだったのでしょう。単に「7個並んでいた」と言うよりも具体的な景色が浮かんできます。
3首目、小包の「OPEN」にここまで注目することもなかなかないでしょう。あらためて言葉で説明するおかしみが存分に出ています。
そのほかにも、客観にこだわったおもしろい歌をたくさん応募いただきました。
客観的な写生は短歌の基本テクニックなので、ぜひ引き続き意識して作ってみてください!!!
「お題で詠もう!カクヨム短歌塾」とは?
① 毎週月曜日にお題を発表
② 次の月曜日までに、お題に即した短歌を「カクヨム短歌賞 1首部門」に応募
※エピソード本文内に【カクヨム短歌塾】の文字を入れてください。
③ トリが気になった短歌をコメントつきでご紹介
お題はどれも、短歌のよくある作り方の解説を兼ねています。
「カクヨム短歌賞」の応募終了日である9/1(月)まで、全5回開催予定。
短歌の作り方にお悩みの方も、ぜひこれを機にチャレンジしていただけると幸いです!
※対象は「カクヨム短歌賞」の「1首部門」です。「10首連作部門」は対象外なのでご注意ください。
※トリのコメントは、選考とは関係ありません。
▼「カクヨム短歌塾」過去回はこちら


