概要
終戦から50年の夏、少女は戦車兵となる。超常的機甲決戦、今ここに開幕!
一九九五年五月。
モスクワで行われた対独戦勝五十周年パレードの最中、目抜き通りを行進していた旧ソ連時代のT‐34戦車が突如として爆発、炎上。
ロシア政府はこれをテロと判断し捜査を進めるものの、国家の威信を賭けた捜査は難行を極める。
ただ一つ確かなことは、事件当時複数の人間が「何かを背負った犬」を目撃しているという事実だった。
時を同じくして、東欧諸国では謎の怪現象が頻発。
「深夜、大戦中の兵器が動いているのを目撃した」「何もない場所からキャタピラ音とエンジン音が聴こえた」といった噂が人々を不安に陥れてゆく。
一方、五十回目の終戦記念日を前にした日本。
高校二年の少女、宮坂由機は生徒会長として文芸部の部長として、忙しい日常を送っていた。
成績優秀にしてスポーツ万能、教師や生徒からの信望も篤
モスクワで行われた対独戦勝五十周年パレードの最中、目抜き通りを行進していた旧ソ連時代のT‐34戦車が突如として爆発、炎上。
ロシア政府はこれをテロと判断し捜査を進めるものの、国家の威信を賭けた捜査は難行を極める。
ただ一つ確かなことは、事件当時複数の人間が「何かを背負った犬」を目撃しているという事実だった。
時を同じくして、東欧諸国では謎の怪現象が頻発。
「深夜、大戦中の兵器が動いているのを目撃した」「何もない場所からキャタピラ音とエンジン音が聴こえた」といった噂が人々を不安に陥れてゆく。
一方、五十回目の終戦記念日を前にした日本。
高校二年の少女、宮坂由機は生徒会長として文芸部の部長として、忙しい日常を送っていた。
成績優秀にしてスポーツ万能、教師や生徒からの信望も篤
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!戦車兵だった祖父との再会を通して、少女は自分を問い直していく
主人公の宮坂由機は、みんなのために無理をする「良い子」だ。
周囲の期待と両親の無理解。努力してみんなに優しく気を遣うほど、癒せない疲労と孤独感が増していく。
そこへ現れる自分とは何もかも正反対な転校生、楓に苛立ち、やがてその飾らない態度に、由機は薄れかけていた祖父の思い出を重ね合わせるようになる。
一方、世界各地で同時に起こる奇怪な現象。ファンタジーと呼ぶにはあまりに鉄臭い、第二次大戦の戦車の亡霊達。
物語の視点は大戦末期の満州、現代ロシア、そして日本へ。映画のような場面の切り替わり、群像劇は徐々に緊迫を帯びながら進行していく。
素晴らしい文章。
1995年。タイ米、地下鉄サリン事件、阪神大…続きを読む