第24話 番外編

「っ…んっ……」


真夜中に目が覚めた。

誰かの声が微かに聞こえる。


暗闇をの中でずっと目を開けていると、徐々に視界が見えてくる。


私は布団から起き上がり、声のする方へとゆっくり、足音を立てず距離をつめる。


姉だ。

姉の声だ。


けれど、その声は聞いたことがない声だった。

何かをこらえているような、吐息量が多くて、苦しそうな。


姉の部屋の扉がたまたま開いていた。

常夜灯がついている。



ガタッ。




「あぁ、…っ、」


何と言えば良いか分からない。

何も無いところでつまづいてしまった。

転びそうになった私が掴んだのは、姉の部屋の扉だった。


やっぱり声の主は姉だ。


「…お姉ちゃん」

「こ、こ、ない、で」


ベッドの上でその場に蹲り、枕を両腕で抱えている。

着ていたパジャマのボタンは全て開けられて、下着もホックが外れてはだけている。

履いていたはずのパジャマのズボンはない。その下にあったはずの布も、片足が脱げている。


流石の私も中学生だ。

姉が何をしていたか容易に想像できるし、大人がそういうことをするのなんて普通だろう。


だけど、私にとって姉のこのような姿は衝撃的だった。



ゴクリと息を飲む。



私は姉のことが好きだ。

好きな人のこんな姿を見てしまうなんて。


私は一歩ずつ、ゆっくり姉に近づく。


「だめっ…だめ、陽っ。」


姉はベッドの上で起き上がると、壁側に背中をつけた。


その先は逃げ場がない。


私はベットの上に片膝をのせ、手を伸ばした。

姉は抵抗することなく私の手が顔に触れることを許す。



「何してたの?」

「…子供には言えな」

「上脱いで、下も脱げかけて、…言えないの?」


顔に触れていた手をゆっくりと下へと移動させる。


首筋

鎖骨


顕になった胸にも触れる。



姉がピクリと震える。



そのままさらに下へと手を進める。


脇腹をなぞり、脱げかけの布にたどり着く。


どこに触れても姉は触れる度に体を震わせる。

姉の反応が私をおかしくさせる。


布の中に手を入れる。

手を入れると、腕を姉に掴まれる。



「だ、め……っ」



自分でして、私にも触れられ、姉の呼吸がかなり上がっている。

力が入らないのか私に身を寄せてくる。

姉の吐く息が、私の耳元にかかる。


それがまたさらに私をおかしくする。



姉の抵抗を他所に、私はさらに布の中へと手を進める。


暖かい何かが私の手にまとわりつく。


ゆっくりと手を動かす。

その何かがより私の手を動かしやすくさせ、姉がビク、ビクッと反応する。


トン、トンッと押してみたり、

少し回すように動かしてみたり、

たまにその中の固い部分に触れてみたりする。


姉の呼吸が荒くなる。

腕を私の背中に回してくる。

姉から出るものが、私を汚す。



「よ、…う」

「何?」


「好き」



…好き?



「陽、きもち、い、いよ…」

「お姉ちゃ」

「陽、よ、うっ、すきっ……んっ」


私の指で感じながら、姉は耳元に囁く。

思わず指に力が入り、動きが激しくなる。


「も、無理…あっ」


さっきより反応が大きくなって、何度も姉が私の指に応える。



「んっっ、あっ……はぁ」



急にぐったりと姉の体から力が抜ける。

指の動きが止まる。

回されていた両腕も力が抜けその場にダラっと落ちる。


「お姉ちゃん?」


あまりにもぐったりしすぎていて、私はベッドから飛び降り、キッチンからコップに入れた水を持っていく。

姉はとりあえず水を飲み、呼吸を整える。



「…陽。…激しすぎっ」

「ごめん、なさい。」


姉の顔が近づく。

唇と唇が触れ合う。



「好き。好きよ、陽」



至近距離で目が合う。

なんと答えれば良いか分からず私は唇を重ねた。

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