第20話

「「「涙狩VS魔盗賊」」」




ルイが、ピクッと……蟀谷に亀裂を走らせた。

『魔盗賊…貴様等懲りん奴らめ。』


エグゼロスとチャームヴィーナスはクエッションマークだ。


カイシェルは顔面蒼白した。

トラウマ過ぎるだろうが…!


キィちゃんは、ピキュっと鳴いて小首を傾げた。





「ルイくん、魔盗賊ってぇ?」

「知らん。」


「確かぁ…アレよ、アレ。普通の盗賊よりヤバイ奴等よ…ああ眠いわ。」


「…………っ。」





ルイティアは、フッと視線をカイシェルを移し見た。

大丈夫なワケなかろう。



震える身体を自ら抱くカイシェル。


冷や汗と蒼白が、甦る¨あの時¨の誘拐事。




終わった事だと

信じていたのに




涙王様が説明した。


「魔盗賊とな、普通の盗賊じゃおらん、あの連中。¨魔¨とはダークネスの象徴。つまり、もはや人間の心を失った者達の集いよの。それは人型とは言えんな…。」






「…ふーん、確かに末恐ろしいねぇ。」


「……なんてゆーかぁ、飯櫃な肉塊ってカンジぃ?」


¨バンッ¨


呆れたたルイがカイシェルの手を掴んでドアを蹴ったぶった。

皆ルイティアに集中線が走る。



「え。今どこでキレたの?ルイくん。」

「ちょっと……落ち着いてルイ……。」


「行くぞ。」




ルイは涙ならぬ油売ってる暇は無い。

しかし、とっとと終わらせられる事柄では無い。


涙狩り…

魔盗賊…

そして、ルイティア達…


「随分とハレンチなトライアングル関係だな。」


と、吐き捨てる様に返したルイティアは涙城を跡にしました。


しゃあないやるっきゃないっしょ…! と、後の二人もルイに続いた。


キィちゃんも。






涙王様は……切羽詰まった胸の痛みを抑えた。

ルイよ…父母と再会できることを想う。



伝ってしまったのか、ルイがピタリと足を止めた。

涙王様はドキッと跳ねあがった。





「…行ってきます。涙王様

心寄り、ご無事で。

……また、帰ってきたときは、その時はどうか……」




―――――――…………去り跡は、愛も変わらず寂くて。


「………ルイ。」


ワシは、

ここにおるぞよ

お主の父母殿の

心の肩代わりとしてな。




―THE END―

TO BE CONTINUE ⇒


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