第6話
…涙狩り…
ルイティアの涙の宝石を狩りまくる悪党狩人。
彼等の名前はノッカーとピッキー。ノッカーは巨大なハンマーを武器として扱う。ピッキーは先端の尖ったナイフを武器とする。ハンマーとナイフ…。
ルイティア等を、その狡猾な武器が、あの日身体に痣となって刻まれたのだ………。
赤紫色に腫れて抉れた傷口から血が少し滲んでいる。
ルイティアの剛健な身体は痛々しくて、見ているカイシェルは思わず口を手で押えて…ヴッ…と咳き込むほどだ。
カイシェルは、恐る、恐る、ルイティアの背中をじっと見つめた……。
頑丈な筈の鎧を、カイシェルが、ゆっくりと外す…。
ゆっくりと…。
銀メッキを取り外し、カラン、と…床の上に、落とした。
「………っ」
「どうした…?」
「………酷い…酷すぎるわ…ッ !」
涙ぐむカイシェル。
ルイの背中を、後ろから、そっと、抱き締めた。
「…………カイシェル?」
「…………私は、この背中を、一生愛していますわ…っ」
ひっく… うぐ… うぅう… うぇえええ…ん…
伝う雫はポタポタ地上に落ちる…
私のせい…私のせい…
中央聖都市に留まっていればよかった…
そうしていたら、今頃のあの時の自分達は…
「助かっていたかも、か?」
「だ、だって…ルイ……ッ」
!
後背のカイシェルの腕を、引き寄せた。
「…………ッ、ル、ルイ…」
「……こうして覆い被されると、ブランケット一枚ではまだ足りんがな。」
「…………は…ぅ…。」
徘徊した建物の斬壁聖なる森に入る前のルート。
誰も居ない。静かな、午後の陽射し。穴の空いた窓から優しいそよ風が入り込んでくる。
ーーーーーーー陽射しが二人を照らし暖める
ーーーールイの傷ついた背中が恍惚に微睡む
ーーーその傷を跡を、人指し指で、ツゥと撫
「…………。」
「こら。聞いてるのか?」
「ハッ…!ご、ごめんなさ…」
いっ…?
¨バサッ¨と、削れ欠けのマントを翻し覆い被さった。
『……私のルイ、今、あまえんぼ。』
『……うむ。確かにあまい。』
カイシェルは正面から懐に受けとめた。
「何を言いますかっ、もうっ、そーじゃなくってね、ルイ……っ………!」
衣擦れが摩擦し合う。
たまにはいいじゃない。
幼い頃に還っても、ね………?
-枯れた城-
「枯王様ー、うぃー、みやげっす、はい終わりー」
「なーに言ってるんだか解らんてノッカーちゃんと喋りなさいな(笑)」
「ふぁっふぁっふぁっ、良き良き、我が仮子等よ。ノッカー、ピッキー。こちらに来なさい…。」
「むぅ。…なんすかぁ?」
「あらノッカー。今日機嫌ワルッ」
ルイティア逃げられたからね。
「チッ……。アイツ連れねーぜ。」
「ノッカーは破壊し過ぎなのよ。もうっ」
枯れ王様は盛大に笑いました。
「おまえたちが居ると心の底から明るい木持にしてくれるわい。今日は行けるか?ノッカー、ピッキー。」
「狩る。」
「しかないわぁー。」
ジャキジャキッとピストルに弾を詰め込む音。
武装アイテムを整えた。ピストル、マグナム、ナイフ、ハンマー、etosetora……。
カッ カッ と、靴底を鳴らし扉を開き行きました。
ハンターの魂が神宿りした……。
黒い狡猾な睨みを効かして…。
知らなくていい。
ハンターは1つの獲物に一途だ。
マントに身を包み肩を寄り添って眠る
二人のその姿はとても、安堵に満ちている。
今はここが仮眠。誰もいない。ふたり。巣箱を求めて次は聖なる森を目指そう。徘徊ビル穴の空いた天井の陽射しに照らされながら。
終わり
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