第14話
―薔薇園の朝焼け―
「起きてる…?」
「うむ。朝陽だな…。」
空。
赤紫色のグラデーションかかった、空
その空は、今日一番に素敵な空でした。
キレイすぎて、泣きそう………。
そんな、ここ薔薇園は
今日で尊い
思い出に、なりました。
―――――――――――――――――
――――――――――
――――――
――
「う―――――………む。」
「…どうしたのですか?」
湖をじっと見つめるルイティア。
『本当にこの湖は、昨日までの湖か?』
とかなんとか、疑心暗鬼。
カイシェルが宥める。
「昨日の湖よですよ?なにかあるのですか…?」
「実にあやしい。」
こんな黄金に、光輝いているではないか。
と、ルイはカイにアピールした。
カイは冷や汗。「え、えぇ。(苦笑)」
ルイは湖の中に引き込まれてしまいました。
「…っ!」
剣柄に手掛けるまえに、その水滴ひとつの
俊敏な動き。
捕まってしまった。
「ルイ!?」
カイシェルが手を伸ばす。
ルイティアは踠く。
互いの手を掴んだ時には既にもう、連れついかれていた――――……
―涙の扉―
………ィ………イッ……ルイ………
――――――――――――――――。
――…っ
…暗い… …光はどこだ… …俺は…
…俺はいったい、何者なのか…
…宝石の涙なんかじゃないのに…
…嫌だ… …嫌だ…
…誰も…
…ルイティア自身を見ようとはしてくれない……………
…俺は宝石じゃない…
…ムナシイのでなく…
…寂しい…
?
…誰かが自分を呼ぶ声が聞こえる…
…誰da
「ルーイ――ッ ! 起きてください !」
「………………。」
パチクリ、目を瞬きし、ガバッと、起きた。
「ルイ、大丈夫?」
「…………むぅ。」
ビックリして抱き締めた腕の中にカイシェルは、ちゃんと居た。
大丈夫…生きてる…カイシェルだ。
「生きてる…カイシェルだ。」
「………あたりまえですょ。」
「ワンダフル ! はーい、君達、決まってるねぇ 。 」
「む…!」
「きゃっ」
誰だ。
ルイは剣柄に手を身構えた。
――――――あれ…無い?
「むぅ……!? 剣が、無い…だとぉ…」
そうでした。剣や金属鎧はシュゴカラに破損されてしまい、今は無防備でした。
ある意味、タンク一枚に、包帯傷テープ、腰ショールとブーツ、そして、大切な眼帯だ。
ちょっと、恥じらったルイ。
「……………ゴホンッ。貴様何奴。」
「ル…ルイ…ッ」
「だいじょうぶだ。カイ。…だいじょうぶ。」
武器は無いが、カイシェルは居る。
「さぁ、来るがいい。」
身構える。
すると、若いイケメンな若人は…
「あっはっはっ。エレガントだね…!君達の、その¨愛¨ まさに、ヴィーナス…!」
キラキラキラキラ
謎の若人は輝いている。
「は、はぁ………。」
「な、なんなのだ。貴様は………。」
「大丈夫とも ! 君達が思うにあの連中とは一緒にしないでおくれ、カモンッ !」
「………はぁ。」
「そーですか。」
まぁ。なんか知らんが、悪者では、なさそうだ。
この者は…いったい……
「あら、甘美。」
!?
また出た !!
カイシェルを背後ろに隠し一歩二歩下がる。
ルイティアを美味しそうに見つめる艶女は一歩二歩前へ出る。
「チャームヴィーナスとは、私の事よ…。」
手を腰に当て、金髪の長髪をサラッと、靡かせる。黒い全身タイツで身を包み、赤い瞳がキラリと光る、ちょっと微睡みながらも。
「カノジョだねー。」
両手を肩位置にまで掲げ、WHY(何か?) と、質問もしていないのに、疑問符を投げてくる、ユーモア兼ね超イケメンな高青年。
臍出しはまだ控えめで良いが、しかし腰のショールが下ネタ過ぎるわ。
「よろしくネー…ああ、カンビたる祝意…この健剛的熱い熱視線……。」
「ルイティア、君はクールだね ! フューチャー !」
二人は勝手盛り上がり、ルイティア達を祝福している。
いったいなんなんだろうか。
この、お二人さんは……と、
ルイは、コミカルにずっこけた。
『こ…こ奴等…何故茶化す気か…?』
「斬る。」
「まぁまぁ、急がないでさぁー。」
「アタシ……帰ってお風呂入りたいわ……。」
(カイシェルの入る隙間、あらず。)
「おやめ二人。」
「ハイ !。レウディファスト様。」
「はい。レウディファスト様。」
…レウディファスト様?…
花畑の向こう側には神秘的な神殿がある。
扉から誰かが現れた。
レウディファスト?
「はじめましてルイティア。私は此処
涙の神殿を司るレウディファストと申します。ルイ、貴方は[あの御方が流した涙]
[涙の子]なのです。…さぁ、なんでも聞いてください。」
この神秘的な女性は、いったい何者――――――――…… !?
終わり
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