第27話






―木もれ陽の下で―


それにしても起きようとしないシューゴ。

本当に頭の打ち所は大丈夫なのだろうか。

いや、依然ルイティアが負わした特殊攻撃を洩ろうに喰らい水の軌跡の傷をその胸元に刻まれたのだから。


「…起きんな。」

「本当にシューゴ大丈夫かしら…シューゴ、聞こえる?シューゴ…!」


「…う。」


シューゴが漸く反応した。


「シューゴ…!」

カイシェルはシューゴに額を寄せる。

「…。」

ルイティアは綸難しい表情をし、片目を少し掠め睨みつけた。

おい、膝枕してる相手はカイだぞ?誰のカイだと?早く起き上がれ。

ルイティアが視線で、訴えかける。

カイシェルは不安とハラハラとドキマギ。

そしてシューゴは………。


「…僕は空振りな事はしない。大空を愛している…僕はシューゴ。

それだけだ。」


大丈夫じゃなさそうだ。


「…。?」

ルイティアは首を傾げた。

しかし、カイシェル……

「シューゴ…!!よかったあ…!無事だわぁ…!ごめんねシューゴ、ごむんなさい…!」

「謝っても遅い。僕はもう天国を観てきた…ある意味ね。そしてここはパラダイスさ。」

と、伝い…カイの髪の毛を捕り指に巻き付け、手の項に口許けを。


ルイティアが思わず目を見開いて焦って

割って入った。

何処がお主のパラダイスだと。


「貴様、何同じ事をしかも抜かしている。」

「抜かしてなんかいませんよ、よって君は堕ちるがいい、ルイティーア。」


「そこは貴様の特等席か。」

「そうさ。つまりだね、今日から僕も……っ…!」

カイシェルが会話に割って入った。

「シューゴだめです!…まだ安静にしててくださいな。ルイも、彼をあまり責めないであげてください。…ね?」

何かがけしからんかった……。

「…フンッ、好きにせい。」

ちょっと、『妬きに似た刹那な想い?』かな?

シューゴは初めて会った時から知ってる。

その妬きなんとかと言う、恥じらいさを。


「クールぶってると、持っていかれてしまいますよ?」

立ち上がる。

「…好きにせい。」

再び木陰に寄り添い腕組みにイライラ…。


「…? シューゴ?ルイティア?」


なんなんだこの、空気

なんなんだこの、トライアングル関係

どうしろと、この、愛憎劇




「…さて、行きましょうカイシェル。」

グイッ

「え、あ、きゃあ…ッ!」

彼女の腰をグイッと引かせ先立ち歩き出したシューゴ。

歩き出しました。


その、高圧的な接点の様子を観嗅げる、エグゼロスとチャームヴィーナス。


「……やれやれだねぇ。」

「……マジ勘弁、ああゆう合間に挟まれるのって、超ごめんて感じ……あたし寝るわ。キィちゃん、カモン。」

「ピキューイ。」


チャームヴィーナスはキィちゃんのモフモフの背中に乗って、二人の後を追いかけました。眠りながら…。


エグゼロスは、さーてどちらに付こうかなと楽しくて可笑しくて仕方がないご様子なのだ。

とりあえず


「ルイくん、ほら、妬けてないで行くよ?」

「い、今なんと伝ったエグゼ貴様。」


「そう焦ることないよ。シューゴも優しくて紳士だけど。

ルイも頼りがあって剛健だし、マジけしからん!… なんてねっ(笑)」


「…褒めているのか。」

「信頼のハートを刻まれた側近の誓い愛さっ…!ほら、行くよっ !」


エグゼロスはルイティアの肩に腕を回して、ポンポン、と

励ますのでした。懸命に…。


「…お、俺は勝つぞ…。」





―THE END―

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