第26話






―木漏れ日の下で休息―


シューゴを木陰へと運び、水分と濡れ衣で拭い傷を拭い消毒を施し。

抱擁を介すカイシェルは、シューゴの額にそっと掌で撫でた。

シューゴ…ごめんね…せっかく迎えに来てくれたのに…ごめんなさい………。


「処で、何故にシューゴは仲間割れをしたんだい?」

「バレたからじゃない……?」

「僕達と同じ同士だってことがかい?」

「それしかないわよぉ……。」


カイシェルの後頭から顔を覗かせる二人。

シューゴをこれからどうするか二人はカイシェルの頭後ろでお喋りを弾ませている。

カイシェルはシューゴの額に手を乗せる。


「……シューゴ。」

『………………。』




ルイティアはかばうように3人のやり取りを眺めている。

今長楽も平穏でありたい。

シューゴが目覚めた時、本人の意志はどちらにあるか。

自分はたいせつな子を護る強さは未だ未熟に不可心だろうか。

そう言えば、まだ本人の口から想いを告げられた事がなかったな。

ただ、二言……。





「…………ルイ?」


「……となりいいか。」


カイシェルの隣に腰かけて、いっしょにシューゴを見下ろす。

シューゴは安堵の夢の中だ。

エグゼロスとチャームヴィーナスは後ろの方でお喋りをわんさかはしゃいでいる。


伝うなれば今しかないか?









「……何故シューゴはこうまでしてカイを欲する。」

ルイの目は微かにメラ。

「……おそらく羨ましいのですわ。」

羨ましい?

「誰をだ。」

「あなたです。」

たったその一部分が自分には無くって自分に足りないものが光ってみえる。

シューゴにはルイの全てが輝いて見えるのではないだろうか。

つまり…

「あなたに憧れている。」

そう。だから

「尊敬に近い意味か?」




シューゴはルイの事を好きだとも




「人間としてね。」

「―――……人間。」


どうだろうな。人の心は人のものだ。

相容れぬ。

土足で踏み込まん事よ。


「だって、好きじゃなかったら

あなたに見向きもしないし

あなたのものに関心すらないですわ。」


カイシェルが、ふふっと、囀り微笑む。


ふと、見せるしぐさにドキッとくる。



落ち着け…。

いや、ありえんだろ。

ルイティアらしくない…。



と、解っているのにも関わらず……

「むなしい¨サガ¨かだな。」

―――つられてルイティアも微笑してしまうのでした。




「…カイ。」

「はい?」


その………


「たった二文字を、くれないか…?

その

まだ、聞いとらん……。」


「まぁ…っ !」

ジーッ と、見つめるカイシェル。

ルイティアが苦笑い…。くっ…無念、と唸り堪えて。


「今日の貴方は際どいですね。」


カイシェルは、ルイティアの、銀色の金属メタルマスクを口許から、そって外し

『貴方から先に伝えたらね』と…

なんかちょっと小悪魔だぞっ 今日の

カイシェル。


『む、むぅ……!』 と、いかんせん何故に突然魔性に成るのかカイシェルの【確かめる】女の子の『言ってほしい』みたいな………。


恥ずかしすぎて爆破しそうだが


ここは 堪えて 確かめる


しかしなんかなぁ……シューゴの居る目の前で。





しかし、こんなカイシェルも認めよう。

そう告げる言葉より先に

顎をクイと持ち上げ


思いきや

やっぱ初々しいと弾いて


金色の長い髪の毛を人指し

指で巻き取り手解き 結び

手の項に口許の刻印。


―THE END―

TO BE CONTINUE⇒









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