第17話




彼の名前はルイティア。

一国を誇る流離いの剣士だ。。

今日で、さようならを、伝えに来た。

この母都市、涙の神殿に―――……



「グッドモーニング、ルイティア 。」

「迎えに来たわよ…ダーリン…嗚呼…なんて甘美なの、ルイティア。」


「―――………。」


寝起きの彼は、朝っぱらから剣を手に取るとスポーンとエグゼロス様にブン投げた。(なぜかチャームヴィーナスは無傷 )



「朝っぱらから何用だ貴様。」


朝からこの二人に茶化され起きた。


「あっはっはっ 朝食の時間だよ。ほら、君たちも何か食べないと、ちゃんとね。」


エグゼロスはそうゆうところは優しいのだ。


「む、むぅ…。」


ちょっと昨日の事を思い出した。

何故、こやつらに情報が行き渡るのが速いのか。

こっぱずかしいわ。




「あら、彼女さんまだ寝てるの? 寝顔可愛いわねぇ~。」


チャームヴィーナスがカイシェルの眠るベッドにピョコッと乗り出した。


「こ、こら、静かにしろ…!カイが起きてしまう…!」


あまりチャームヴィーナスを叱れない…とゆうか、面識無いタイプだ。

それは、良いとして…エグゼロスが締め切った!





「で…、ところで君達ってさぁ

夫婦なのかい?」

「なわけなかろうがっ!!!」

「昨ばn」

「シャラーーーーーっプッ!!! (黙れ)」


轟音が響き渡る、朝のどつき愛でしたとさ。

鳥達は羽ばたき、陽射しは舞い降りて

並みだの神殿に、朝が来た。


――――――――――――………

―――――――………

――――………


―朝―


涙の神殿に朝が来た。

いつもどうり、食事を取り、王客間の華やかさと日射しの心地よさに明けくれた。


食事中に気づいたことがある。


「ルイティア…。」


母なる、セイレイン様が話をかけた。

ちょっとドキッとして、手を止めた。


自然と、受け入れる空気って

親子だからだよ。


母なる雫と。

いつか、逢う時ノ父なるガイアよ。


そして…



「おはようございます。ルイ…。」


「―――――…………おはよう。」






その間、心の水滴が中和した―――――……


旅って、これで終わりなの?―――――……


いいや。知らない自分をもっと探しに行く


―出発―


セイレイン、エグゼロス、チャームヴィーナス

3人は、ルイティアとカイシェルを見送りに外へ出た。

二回目の旅立ちとなる。

二人が旅立つ前に母セイレイン様はルイティアの過去を告げました。


「ルイティア。貴方は雨と大地の狭間に誕生した子供。

涙の奇跡なのです。

貴方は、この涙の国で、

讃えられ、祝意され、愛されてきました。


ルイティアは深く頷いた。

優しい風に煽られながら。


「しかし、反逆者が現れたのでした。

涙狩人の方々でした。

私達は、宝石の涙として知られる貴方を

外の世界に逃げさせました。

『現代』と伝う世界に…。」


現代…?


「ルイティア達は現代を知りません。

その、現代と伝う世界は何処かに存在するのです。

その世界に、私の代わりに、貴方を守り、育ててくれた、人間の、マーサレットとファーストが居ます。」


『…マーサとファースト…』


ルイティアは意を決して

セイレインに問いました。


「……その者達が義母義父か。」

「はい。」


「わかった。行こう。」

「え、ルイ?」


カイシェルの、手を掴み。

ルイティアは涙の神殿を。

跡にした。踵を返して…。




「あーあ、言ってしまったね。」


「ついてくぅ?」


「お二人とも、今はまだ、彼等がたどり着く未来を信じなさい。」


最後に、

ルイティアの粒子が

母セイレイン様を抱き締めた――――………


「ルイティア」






終わり










  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る