第8話


朝―――――――………

太陽の陽射しと一緒に小鳥の鳴き声が、窓から入り込む、穏やかな、やさしい、朝が来ましたかれこれ涙狩りから逃れて何度めだろう、生きているそれだけで、よかった―――――………




二人は床の上に転がっていた。

モーフは1枚。暖炉の火は消えていた。


目を開ければ、横たわるカイの顔……。


『………』




ルイの朝の顔は寂れていた。


ここまでよく辿り着いたな。


カイシェル。





「………うふふ、可愛いルイ。」


「 ! 」


目をパチクリとさせ、星が飛ぶルイティア。

こんな自分をカワイイだと抜かす…遺憾だ

俺にそうゆう想い言葉を吹っ掛けるな……

まったく、この子は本当に……


「可憐な奴よ。」


「私なんて…ルイのが可愛いから大丈夫よ。」


「………俺は、子の通り健剛だ。俺の何処がプリティだと? 想像してみろ、恐ろしいだろう。」


「プ、プリ…ふっ、あはははっ やだっ、もう、ルイってばいちいち面白いのね。」


「じゃかあしいわっ、この、プリティーシーフレッド 。」


「意味わからないわ…ふふ。」


ルイが宝石ならカイは太陽になって、互いを耀かす。




「………。」


「………。」


…笑顔…


「「おはよう。」」





-枯れた城-


「ノッカー、ピッキー、二人に紹介したい子がおるのだが。」


「「はい。」」


二人はブルーカーペットの座に身を屈め足ひざをつき頭を垂れる。


ひそひそ…


「…誰だ新人て。」


「…さぁん?」



出口の巨大な扉が開かれた。

その[例の彼]は入って来た。

なんとその人は、いつかの弓使い。


名前を確か…


「あ、シューゴちゃん。」


「えーっ、知り合いかい ! 」


「シューゴにちゃん付けすな!!僕は、シュゴカラだ!シュ・ゴ・カ・ラ !!」


高々な美声が城内に響き渡った。

いやしかし、豪華絢爛で華やかなシュゴカラだが。

ただ、煩い…。うん。



「「彼王様 ! こいつ (等) と、組むミッションて、なんなんだよっ !?」」


『やだもぉん、この二人。』


男っ子二人は声が重なり意気揚々。

女の子ピッキーは、なんだか疲…。

枯王様は3人にミッションを命じた。


「ノッカー、ピッキー、そしてシュゴカラ。3人に命ずる、直に伝う。宝石の涙の青年を、連れてきなさい…頼むぞ。涙狩りハンターよ。」




「それにしてもいつ奴等とブッっけ合う?」


「明日にしましょ。その間武装アイテムを揃えるのよ…」


ノッカーとピッキーが気さくに会話している合間に、黙々とシュゴカラは思考を廻らす。


『フッフッフッ。

大丈夫…バレないさ…これはスパイ。僕独りの単独行動。僕自らがこの、なんたら王様とやらに偽た誓いを入れて侵入したのさ。

フッ……そして僕の隣でギャーギャー騒いでるお気楽な二人は全く気づいていないようだ。

フッ……今に天誅を受けるが良い!!

宝石の涙を流すルイティアも、

馬鹿みたいに涙狩り繰り返す貴様等も、

両成敗さ………!!!

そう、この僕が、シュゴカラの宿命によりて和解させてみせる!!

そう、[ルティアース] の為に…!!」


バコッ


「煩せぇ……!」


ノッカーがハンマーで叩いた。

いやこのノッカーとピッキーもタフな輩だが……ほんとまぁ何遍ルイティアを涙狩りするやらか…。主等はワルか。シュゴカラ、がんばれ。君は正に間に鋏まれた仲裁役だぞっ !





「ううう…。(僕こんな役柄嫌だよレウディファスト 様 (涙)」


終わり











  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る