第9話
扉を勢いよく開けました。神聖なそよ風が森の影を裂いて香る新緑。気持ちの良い正午の陽射しです。
木々の天井から白い陽射しが降りている。その白い光りは昭明となって二人を耀かせた。
「見て。ルイ、木々は新緑で満ち溢れ、鳥は御話を、私達は光を浴びているんだわ。ねっ、空気が美味しいの、くるくる、うふふっ…… ! 」
くるりらオリジナルダンスを踊るように、陽射しの中を飛び移る、まるで秘密の妖精さんの様だ。
なんて邪心の無い。
「…白無垢だ故に可憐である。」
惚れ溶けていたのに、と端からグキッと足挫く。
「うきゃあッ…!」
「 ! 」
受けとめた。空から舞い降りる、葉っぱ、一枚一枚が、サラリと頭や肩に、大地が、受けとめました。
見合いましては安堵する瞬間。
「………さてと。おっちょこちょいなお姫様は行くぞ。」
「ク、クレプシドラですーっ…! きゃ…!?」
抱っこされるのは恥ずかしいが、彼の広い胸元の金属メッキにちょっと爪を立てた。ルイは暗黙の了解で、おでこをおでこを合わせた、コツン……と。するとカイはパァッと花開く宵闇に。
「はっ、煩いっすね。よいしょ…と。」
「あーん。待ってよノッカー。」
ある意味………
(スパイハンターセットも付いてくるぞ。)
-薔薇と棘の空中硝子ブランコ-
神聖なる森を抜けて辿り着いた所は更なる神秘の待ち受けでした。どんな場所か説明すると、宝石のクリスタルが映えていて、天井から空中ブランコがいくつも吊るされてある。純真無垢な宝石がキラキラ。地面から天井に映える薔薇蔦と棘は神聖なるブランコを守る守護植物なのかもしれない。
「ほぅ。中々の見応えだ。」
「神秘…。」
地図によれば、この空中硝子ブランコを出て進むと¨水の神殿¨に辿り着く。水の神殿こそが、何かありそうだ。
自分探しの旅の鍵、宝石の涙の枷(呪文)
両立して答えを見つけることができるかもしれない。何故、¨水の神殿¨なのだから期待できるのだ。
ルイはカイを、抱っこから降ろした。
「棘に触るな。蔦の先端は危険だ。クリスタルは持って帰ってはならんぞ。」
「は、ははぃ…あわわ待って。」
「まだ足が痛むのか。」
「え、えぇ、すこし…。」
申し訳ない…しかしカイシェルはまだ15の少女だ。ルイティアの宝物。自分探しの旅についてきてくれたこの愛おしい女の子を決して傷つけない守る。大切にする。誓いでした。
「ふむ…。少し休もうか。応急処置をするぞカイ。」
「え、そんな大袈裟な…」
…ズキン…
「…っ痛。」
「ほら、座り…。」
ブランコに腰掛けて足の容態を観るルイ。…しかし、御医者様と伝う訳でもなくこれと言ってもカイの素足は白く華奢な綺麗。兎に角、ルイは色んな角度から足を観て検知する。
「うーむ。…確かに少々腫れてはいるが、骨は大丈夫じゃないか? これ、 痛いか? カイシェル…。」
「…っ。」
!
「…………っ、す、すまない。」
たまげて後に地面についた。
『遺憾…遺憾…遺憾…問答せい、問答せい、問答せい、問答せい問答…』
焦りが。ヤバい。お、落ち着け…ルイ…!
ルイは ( わけもわからず ) 剣砥をシャーコシャーコ、していた。何をしている、ルイよ。
「…だ、大丈夫?」
「問答せい、問答…、あ、いや、…ゴホン…すまん。気にするでない ! 」
「ここも腫れてるみたいなの…見て?」
あたかもローブをほどきココを指差して見てくれと頼むカイシェルは特に狙っている訳ではなくてだね、えーとだね、
『『あー!問答せい!問答せい!問答せい!いかんせん…そうだ腕立て伏せをしよう ! 』』←何故?
「ねぇ……ルイ……。」
「 遺憾と言うとろうっ !」
頼むから今はやめてくれ← (だから何がだ。)
…ピト…
(くっついた)
その瞬間ルイの天頭に天使の輪が授けられました。それはなんとまぁダイナミックへヴンズオープンザドア。
「「あーあー、いいなぁいいなぁ。大人達ってロマンティック、ロマンティック。」」
「「…!!」」
ルイは一気に静粛を取り戻すと柄に手を掛けて剣を身構えた。カイシェルを後へ隠して…。
「…出ろ。」
「…だ、誰なのそこに居る人達は!?」
… クス クス クス …
「ねぇ…私達可愛いって、チェリチェリ。」
「うん、僕達の事を捕獲したいって、ラヴィラヴィ。」
何言ってるんだこいつら…?
風変わりな…。
まぁ良い。
ルイティアは剣をシャキンと鳴らし、真っ直ぐ裂けた道を観やる。
「…そちらも身構えろ。出ろ。」
薔薇蔦が両サイドに避けて道を作る。
現れたのは、ちいさな、ちいさな…
鍵と枷………?
「「はじめまして。ルイティアお兄ちゃん。クスクスクス … ! 」」
終わり
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