第10話 華やか

倉庫の中は暗くて汚いイメージだったが

床は木の板がリビングのような光沢で

その上に、スポーツカーがずらり並んであった。

真中におしゃれなソファが囲ってあり、

ジャズが流れる中先輩の仲間達が

机の上にある周りで騒いでいた。

「おーやっときたか!」

でかめの太った男がグラスを掲げて

声を掛けてきた。

「俺の後輩よ〜。可愛がってな〜」

数人の男達がゲラゲラ笑った。

全員輩ばっかで居心地が悪かった。

早く食べて帰ろう。と思った。

タクヤが耳打ちをしてきた。

「俺は先輩達の相手してるから

「ジュンと適当に食べて飲んでて

17時に帰らないと親に怒れると

言ってくるから安心して」

タクヤにしては気が利くし、私が

不安に思ってたことを言ってくれた。

少しホッとしてジュンと一緒に

ジュースを持ってソファの隅に腰掛けた。

「ジュンはなんで来たの?」

少し時間をおいてジュンは言った。

「車が好きだから」

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