第29話 回想

どうしようもない人生だった。

あまり愛されたことのない

そんな人生だった。

今はどこで死のうか

そればかりを考えてしまう。

ママは心配しているのだろうか。

朝の続きで怒っている

のかもしれない。朝家から

でず、ママと卵焼きを

作れば良かった。

謝っておけば良かった。

ママごめん。強がらなければ

良かった。

バッチン!またビンタされた。

「おい!しおらしくなりや

がって、少しは泣いたり

さっきみたいに暴れれば

いいじゃないか。」

私は手を縛られ

なにかできる状態じゃ

なかった。

じゃぁ試乗させて

もらいますか。新車か

中古車か楽しみだな」

男はシャツのボタンを外し

ズボンのベルトを抜いた。

「しっかりいたぶった後に、

ハイオク満タンにしてやるよ」

ゲスな笑いが鳴り響いた。

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