第30話 1人じゃない

奥の小部屋からバチンと音がした。

思わず肉が刺さっていた鉄の串を持った。

大きな肉がくっついているのを

手で落とした。携帯で辺を見渡した。

ゆっくり奥の明かりのある小部屋に近づいた。

中から声がする、窓はカーテン

がしてあり、中の様子が見えない。

ドアを慎重に開けて中の様子を伺う。

男が経って誰かを罵っている。

もう少し開けてみる。

罵られているのは、あやだった。

手を縛られ俯いている。男はベルトを持って

あやの身体を打ちつけていた。

恐怖が全身を巡った。一度閉めて、

その場にしゃがみ込む。警察と

思って電話しようと思ったが、

警察が今から来たとしても

間に合わない。自分でなんとか

しなければ、右手に持っている

串が目に入る。震えすぎて串が

目の前で振り子のように揺れる。

深呼吸をし、目を閉じる。

私がなんとかしないと

私があやを助けないと。

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