第20話 虫の知らせ

18時になっても連絡がこない。

LINEをみても既読にならない。

無視はするが、いつも既読になる。

なんだか、怒りよりも不安が

強くなってきた。外を見ると

ピンク色の夕焼けで気味が悪い。

家出は何回かある。だけど朝

程度の事では家出した事はない。

誕生日プレゼントのほしい物を

色違いのを買った時、

必ず見に行くと約束した文化祭。

どちらも大喧嘩して、私が悪か

ったものだ。だんだんいても

経ってもいられなくなった。

とりあえず、外に出て、夕焼け

に向かって走り出した。

走りながら警察に電話する。

事情を説明したが、心配し過ぎと

言われてしまった。

夜になっても帰って来なかったら

もう一度電話してください。

違う。今じゃないと間に合わない。

そんな気がする。

脳裏にスーパで泣いているあやの

姿がくっついて離れない。

あやが泣いている。

今じゃないと間に合わない

そう血が叫んでいる。

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