40話 気持ち

冬になり寒さが一層厳しくなる

身体が細い分、動きが

緩慢になる。だんだん

最近は感情が減った気がする。

ご飯を食べても味が薄く

人が笑っているのも

なにが楽しいのか

疑問に感じる事が多く

なった。ここ最近、娘の

事を考えても涙が出なく

なった。顔は痩けて、表情が

ないと言われる。鏡を

みても自分の顔なのか

何度も触ってしまう。

「さきさん。ご飯食べれる

かしら?」

入った当初からよくしてくれる

下村さんだ。声を掛けてくれる。

「あまり食欲がなくて」

「あら、いいわね。私なんて

ここに来て太ったわよ」

ニコッと笑ってくれる。

「娘さん待ってるわよ。食べないと」

肩を擦ってくれた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る