44話 東京

私は大丈夫ですからと

慰めた。落ち着いた所で

「娘は元気ですか?」

「えぇ、4月から仕事

始めてます。」

「会ってみようかと思う

のですが」

児相の人は困った表情をする。

「聞かれてないのですか?」

「はい?」

「仕事は東京ですよ。」

「…そうですか…。」

「5月に会いに行くので

伝えますね」

「いえ、今忙しいと思うので

手紙で伝えます。」

「そうですか…」

仕事は聞いていたが、引越するとは

聞いていなかった。もしかしたら

会いたくなかったのかもしれない。

「会いたいですよ」

「えっ」

「あやさんずっと会いたがってました。」

なぜわかったんだろう。私の顔

になにか書いてあったのだろうか。

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