45話 遠距離

しばらくするとさきから

手紙が届いた。引越先の住所と

初給料に喜びの手紙だった。

今は一人暮らしだが、私が

出所する頃には2DKの部屋に

するから待ってって!との

手紙だった。少しホッとするも

高校卒業して東京で暮らすとなると

大変だと思った。嬉しい事を伝えるも

別々に暮らす案を書こうかと悩んで

しまった。悩んだすえ、結局その事は

触れず、仕事応援していることと、

ちゃんとご飯を食べることを伝えた。

「さきさん、ちゃんとご飯

食べてますか」

ハッとする。看守に顔を覗きこまれた。

「は、はい」

「少し食べる量減りましたよ。

なにかありました?」

いや、特になにもない。

「いえ、別に…」

「周りの人から気にして

欲しいと頼まれているんです。」

「さきさん食べないと、私まで

食欲減るとか」

下村さんだろうか。看守は私に微笑んだ。

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