第25話 結果

「おい、電気着けろ!」

天井から灯りが付き始める。

とにかく手探りで窓に向かって走る。

灯りがつくと男達はサイレンが鳴る

車に走りだしていた。

倉庫入口近くの車のボンネットがボッコっと

凹んでいる。

「俺のロールスロイスが!!!」

「アイツはどこだ!」

「2階にいるぞ!!捕まえろ!!」

もう気にしては居られない。

体中ぶつけて青痣だらけだが、今は

痛みなんて感じられる余裕がない。

必死に走り目の前にある窓ガラスに

向かって走り込む。

「アヤ!!てめぇ!!ただじゃおかねぇ!」

「早く捕まえろ!!」

足音がガンガンなる。

窓まできたが、鍵がない。辺を見渡すと、

通路右奥にハンドルが見えた。

ハンドルを回さないと開かないのか。

息をしているのかもわからない中

また、死物狂いで走った。

階段の上がる音が聞こえる。

ポッケに入れたフォークを強く握りしめる。

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