第16話 門番
「あやは新車かな?それとも中古車かな?」
私は辺りを見渡す。奥の方に非常口の
マークを見つける。
「まぁどっちにしても今から中古車になる
んだけどね。さぁゲームをしようか」
「だれが最初にアヤを捕まえられるか。
最初に捕まえた奴がアヤに乗れる
ゲームだ。簡単だろう?」
車からいくつか灯りが漏れる。バタン!
ヤバい。すぐに携帯を投げ捨てる。
携帯が倉庫の壁にあたり「ガッシャン!!」
「おいおい、ひどいな〜。携帯高いんだぞ」
大きな声が倉庫の中鳴り響く。私は急いで
しゃがみ、机にあったフォークを手に持つ。
バタン!バタン!と誰かが車から出てくる
暗闇の中手探りで車の間に隠れる。
「あや〜どこだい〜」
携帯のライトが照らされ所々車の影ができる。
「俺が先にみつけるぜ!!」
太った男の声だ。帰ったと思ったが、て事は
6人いる。バレずにやり過ごすのは無理だ。
なんとかして倉庫から出ないと。
あやは近くにあったスポーツーカーの中に
身体を滑らせた。きっと、やつらは足を見る。
極力隠れながらゆっくり非常口に向かおう。
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