第27話 脱力

捕まってしまった。あともう少し

で窓から抜け出せたのに。

ほっぺをビンタされた。

「痛ってぇな!お前、なに人の足を

フォークで刺してくれちゃってんの!」

もう一度ビンタされる。

別にもう痛くない。これから起こる事も

もう興味ない。

「何も言えねぇか。俺の車も壊し、

やがって、お前を売ってもそこまで

しねぇよ。まぁ居なくなっても

誰も気付かないのがいいけどな

ボロボロにしてやりてぇが商品だしな」

「まぁ、2日後にはもう働けるから

しっかり稼いでくれよ。お前が

働けば、その分頂けるからな。」

「まあ20年働いた帰れるんじゃねぇ!」

ゲラゲラと周りの男達が笑う。

「コイツは俺が調教してやる。いいな!」

「なんだよ!それ!俺が捕まえたのに!」

「うるせぇよ!携帯も車も足もやられて

待ってられるかよ。」

「ちぇ、興が冷めた、お前の金でカラオケ行ってく」

くるからな!」

男達はワンボックスの車に乗り

電気を消して倉庫をあとにした。

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