第13話 欺瞞

17時になった。タクヤが

立上り、大げさに時計をみた。

「やべぇ!母ちゃんに叱られる!」

周りの先輩達がゲラゲラ笑った。

「そりゃまずい。お開きにするか!」

私は結局、車の試乗はせず終わった。

「後輩達送るぞ〜!」

「うぃっす。でもダメだ!酒飲んじまった!」

ガハハハと笑い声

「バレねぇよ別に」

いやいやいや、まじで勘弁。

「しゃぁねぇなお前ら、一人くらい」

いるだろう?

細身の男が立上り「自分送ります」

「じゃぁ、あやはまだスポーツカー乗ってないから

俺が近くまで乗せて行くわ」

そう言って私に軽くウィンク

してきた。気持ち悪!

「はい」と軽く会釈する。

「イキ、じゃぁ二人頼むわ」

そう言って車に乗り込んだ。

赤のポルシェらしい。確かに今までに乗った車

の中で一番乗り心地がいい。

二人は行きと同じ車に乗った。

先に私達の車が出た。

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