第35話 終焉

警察が心配して

電話をしてきた。

私は娘が居たことと男を

刺した事を伝えた。

娘を自由にし、帰るよう促したが、

私を抱きしめ離れなかった。

この男は死んだのだろうか。

別にどうでもいい。

娘の前で手錠などしてほしく

なかった。

警察と救急車が同時にきて

娘は保護され、男は救急車に

乗り、私は手錠はされず、

黒い車に乗った。てっきりパトカー

に乗ると思っていたが、違った

みたいだ。急に力が抜け、

気力がなくなった。この後の

事は正直あまり覚えていない。

留置所に入れられ、質問攻めを

受けた。話す気力がなく、半分

以上はわかりませんと言っていた。

娘はどうしているのだろうか。

もっといい方法があったのだろうか。

言いたい事が娘に言えて良かった。

とめどなく湧く言葉を反芻していた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る