めいかいトランシーバー 〜キツネ様の都市伝説を解き明かせ！〜

　このお話は、めいかいと繋がるトランシーバーが巻き起こす、ドタバタ物語です。

　勉強は苦手ですが活発なお姉ちゃんと、勉強は出来ますが陰キャの弟君が大活躍します。
　夏休みの自由研究（昔から思ってたんですが、無理矢理やらされているから、自由じゃ無いですよね）のテーマが実は、アレで……

　大好きなおばあちゃんが亡くなって、少し寂しいご家族が、また元気に歩き出すお話です。大好きな人は亡くなっても、どこかで元気にされているんですよ。

　きっとそうです！

主人公は小学5年生の女の子、日向（ひなた）。
お父さんと一緒に行ったフリーマーケットでトランシーバーを買って帰る。
帰宅すると不思議なことに、トランシーバーから関西弁のおしゃべりが聞こえてきて・・・？

5年生の女の子が、頭脳派の弟と共に、トランシーバーの謎を通して地域の歴史や死生観にも触れていく物語です。
タイトルになっている「めいかい」の意味が明かされるシーンは鳥肌物でした！

児童書ということで、序盤は何気ない日常描写から始まりますが、
後半になって謎解きターンになるとドキドキが止まりません。
大人も童心に帰って楽しめますよ！
日向たちと共にぜひ、夏休みの大冒険に出かけてください！

夏休みの自由研究は、悩ましくもあり楽しくもあります。
主人公・日向が、選んだ研究テーマはなんと「キツネ様」という都市伝説！
その発想に驚かされます。
ワクワク・ゾクゾクしますよね？

しかも日向は不思議なアイテム「トランシーバーを通じてしゃべる羅針盤」を入手済み。
これらはいったいなんなのか？
「キツネ様」と関係があるのか、気になりなりがら読みました。

探偵マニアの日向のパートナーとなるのは、弟の学くんです。ブレイン担当。人前ではシャイだけど、姉には心を許しているのか憎まれ口を叩きます。可愛いです。

「キツネ様」への研究に向けて、姉弟と羅針盤との小さな冒険がはじまります。
大人相手に物怖…続きを読む

とっても面白かったです。
羅針盤さんやキツネ様の正体など、この伏線はこういうことだったんだとワクワクしながら読むことができました。

中でも私が一番面白いと思ったのは『めいかい』の存在です。
一般的な冥界とは少し違った個性のある設定に、こんな不思議の世界があったら素敵だなあとうれしく思ってしまいました。

子供向けに書かれてはおりますが、その内容には、いくつも伏線があり、
それらが終結に向かっていく展開に読み応えは抜群です☆
大人でも楽しめると思います＾＾

トランシーバーや、しゃべる羅針盤など、子供が好きそうな要素が満載です。
個性豊かなキャラクターも楽しく読めて、謎が気になるので先を読ませてくれます。
特に展開の持っていき方、読者への見せ方がうまいなぁと感心しました。
最後まで読むことで、タイトルの意味にも、うなります。

作品としての完成度が高く、
つばさ文庫への応募を考えておられる方は、ぜひ、ご一読してみてください♪

主人公は明るくてハツラツとしとした可愛い性格で、弟が正反対のちょっとコミュニケーションが苦手だけれども頭脳明晰な将来有望そうな子っていう組み合わせがいい！

謎に次ぐ謎で波乱万丈で読者を楽しませようという心意気が見えるよう。
けれど切ない場面もあったりして明るい部分だけじゃないところが奥行きを感じる。

児童向けに言葉はやわらかいけれど内容は子供だましでない。
そして最後はちょっぴりクスッとしてしまうほのぼのとした終わり方。

とても良かったと思います。
心躍る物語をお求めの方におススメです！