概要
姫の幸せのためならば、私はなにも怖くない。
病に冒された姫を救うために、命を懸けた旅に出る奴隷の青年。
どうか、姫の病が癒えますように。
光り輝く笑顔を取り戻してくれますように。
そうして、姫が国一番の商人のもとへ嫁ぐことができますように。
私の願いは、それだけ。
それだけだ。
奴隷のケンは、王女イスーが所有する小城で働いている。
二人は、武術や学問を通じて親しくなっていった。
美しく快活なイスーに恋をするケン。だがその想いは胸の奥に秘めるしかなかった。
ケンとイスーが十五歳の時、イスーが倒れた。
胸に氷の花が咲く「氷華病」に侵されたのだ。
氷華病を治すには、東の果てにある孤島に実る、「火焔の実」で作った薬を飲む必要がある。
ケンが二十三歳の時、今までイスーを放置していた国王が、突然ケンに命じた。
「火の雨が降るとい
どうか、姫の病が癒えますように。
光り輝く笑顔を取り戻してくれますように。
そうして、姫が国一番の商人のもとへ嫁ぐことができますように。
私の願いは、それだけ。
それだけだ。
奴隷のケンは、王女イスーが所有する小城で働いている。
二人は、武術や学問を通じて親しくなっていった。
美しく快活なイスーに恋をするケン。だがその想いは胸の奥に秘めるしかなかった。
ケンとイスーが十五歳の時、イスーが倒れた。
胸に氷の花が咲く「氷華病」に侵されたのだ。
氷華病を治すには、東の果てにある孤島に実る、「火焔の実」で作った薬を飲む必要がある。
ケンが二十三歳の時、今までイスーを放置していた国王が、突然ケンに命じた。
「火の雨が降るとい
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- ★★★ Excellent!!!病に侵された王女のために、奴隷の青年は旅に出る。
王都から離れた小城に住んでいる快活な王女イスー。その王女に拾われた奴隷ケン。
中央宮殿のしがらみに縛られることなく育った二人は、自由にそして抑圧されることなく育ちます。ただ、奴隷であるがゆえにケンは常に一歩下がるしかありません。
そしてイスーが十五歳の成年式を迎える日、彼女が病に侵されたことで穏やかだった日常は一気に暗転します。
あらぬ嫌疑をかけられた王女イスーに対する非情な仕打ち、去っていく人々、治らない病──。奴隷のケンは、なんの力もなくそれを見ているしかありません。
そんなある日、彼に王命が下るのです。
奴隷であるがゆえにケンが抱える歯がゆさ、王女イスーに対する秘めた想…続きを読む