このレビューは小説のネタバレを含みます。全文を読む(243文字)
作者が夭折のため、未完のまま終わった名作、トリニティブラッドを思い出す。作り込まれた世界観、細かな人物描写、文句のつけようがない。願わくば最期まで描き切って欲しい。
教会、騎士団、エルフなど、ファンタジー好きには堪らない設定を採用しながらも作中で用語の解説を挟み、読者を置いていけぼりにしない親切設計。登場人物は一人一人個性が立っており、自然とキャラクターを理解しながら読み進められる。特筆すべきは戦闘シーンで、魔法や剣の攻防が音と映像を伴って再現され、まるでアニメを観ているかのような躍動感ある展開を何度も楽しめる。王道ファンタジー好きはもちろん、ファンタジー初心者にもお勧めできる一作です!
世間知らずだけど熱意はある王女様と、理屈で諭しながらも協力してくれる黒騎士のコンビが良いです。
私個人的には、ポップで二次元的てリズミカルな雰囲気よりも、重厚感のある、3次元的なイメージの作品を好むひとにおすすめです。ファンタジーと近代文明がミックスされた世界観も独創的で、だからこそ、刺激的です。
まず死刑が確定した騎士が運良く生き延びるという設定が良いです。設定も、説明するところとしないところのバランス感覚が優れています。書き手目線で言うと、蔑称が「バニラ」という時点でセンスの良さを確信しました。