第20話 安心感

「橋本。椿をここに通せ」


「いいんですか?」


「拒否をしたらどうなるかわからんだろ」


桐生さんと橋本さんの話からして颯杜さんを怒らせるとマズイのか椿さんは慌てだした


「なんでそんなに慌ててるんですか?」


「お前には関係ない」


「関係無くないですよね?あなたがここに連れてきたんですよね?」


「…」


「颯杜さんの事がそんなに怖いんですか?」


私がそう言うと桐生さんは怒り出した


「あいつが本気でキレたら俺の組は壊滅させられるんだよ!!さっきの事は黙ってろよ。」


「私はあなたに言われたこと颯杜さんに話します。」


私がそう言うと桐生さんは私の胸ぐらを掴んできて今にも殴りかかってきそうな勢いだった。


私は殴られると思い目をつぶると来たのは痛みじゃなく、大好きな人の声だった


「桐生、俺の萌果に何してる」


「!…椿」


「何をしてるのか聞いてるんだが?」


「いや、別に。ただ萌果さんと話がしたくて事務所に連れてきただけで、そろそろ帰そうかと思ってたところだったんだ」


「そうなのか。だが、その手はなんだ?」


「え、あ…」


「俺の萌果に触るなんていい度胸してるな。」


「…」


「忘れたのか?狛龍組は牡丹組(うち)に借りがあることを」


「忘れてなんていないさ。でも、これとそれとは別…」


「別じゃないだろう。これ以上、萌果に何かしたり接触してきたりしたら…お前らを潰す」


「くっ…わかった。約束しよう」


「わかればいい。…萌果帰ろうか」


颯杜さんは桐生さんと話をつけると、私の傍に来て手を差し出してくれた


「はい。」


その手を取り、狛龍組を後にして家へと帰った。


家に帰ると柚杏が泣き腫らして不安そうな顔をして待っていた


「柚杏!」


「萌果!無事だったんだね!良かったぁ…」


柚杏はまた泣きながら私に抱きついてきた。


「颯杜さん、柚杏のこと泊めてもいいですか?」


「もちろんだ。客間を用意しよう」


「ありがとう」


「萌果、ごめんね。私何も出来なくて…」


「そんなことないよ。颯杜さんにちゃんと伝えてくれたじゃない。」


「でも…それしか出来なかった…」


「それだけで充分だよ!柚杏に怪我がなくて良かった!」


「萌果ぁ…」


その後お互いに謝りあったり、一緒にお風呂に入ってまたお喋りしてって感じで話していると、いつの間にか柚杏は眠ってしまっていた。


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