第30話不安的中

それから3日が経ったけど、私たちには何も無く平和に過ごしていた


「なんか…暇だねぇ」


「じゃあ、柚杏も勉強しようよ?」


「私、勉強苦手だもん!」


「教えてあげようか?」


「うーん…せっかく休みだしなぁ。明日からやるー!」


「そう言ってやらないパターンじゃん!」


そんなやり取りをしていると颯杜さんたちが慌ただしく帰ってきた。


「どうしたんだろう?」


「なんかバタバタしてるね…」


不思議に思っていると綾人さんが来て説明してくれた


「萌果さん、柚杏さん。ちょっと厄介なことに…」


「どうしたんですか?」


「実は颯杜さんの不安が的中しまして…」


「もしかして桐生さんが、颯杜さんを悪く言ったってことですか?」


「そうです。それで明日、話し合いすることになったんですよ」


「それって、私も参加できますか?」


「萌果!?何言って…」


「私が好きで颯杜さんと一緒に居ること、桐生さんとは付き合ってもいなければ、颯杜さんが奪ったというのは間違いだって話したいの。」


「とりあえず、颯杜さんに聞いてみないことには…私では決められないので。」


そう言って綾人さんは颯杜さんを呼びに行くと、すぐに颯杜さんが来た


「綾人から話は聞いた。正直、来て欲しくはないんだが…この前話し合って決めたしな。ただ、萌果には瞬と涼を付ける」


「わかった。」


「柚杏ちゃんには綾人と一葵を付けさせてもらう」


「はい」


「颯杜さん。柚杏さんにはどこで待っていて頂きますか?」


「一緒に居てもらった方が守りやすいだろ」


「そうですね」


颯杜さんはテキパキと綾人さんに指示していく。

私はそんな颯杜さんに安心感を感じながら見惚れていた。


「萌果?」


「…え?」


「あんたぼーっとしてたけど?」


「だって…颯杜さんカッコイイんだもん!」


私がそう言うと柚杏がニヤニヤしながら私をからかってきた。


「もう!いいじゃん、大好きなんだから」


「はいはい。ご馳走様でしたー!」


「…柚杏だってずっと綾人さんのこと目で追ってるじゃん!」


「そ、そんなこと!!」


そんな話をしていると颯杜さんが戻ってきて、翌日の一連の流れを話してくれた。


「という感じだ。」


「じゃあ、そこに居るのは私たち7人と桐生さんの方が4人ってこと?」


「一応そういう事で話し合いすることに決まった。」


「そっか…なんとか穏便に話し合いできるといいね…」


「あぁ。だからこっちからは俺たち以外は行かないことになっている」


「そっか…」


「ごめんな。こんな事に萌果と柚杏ちゃんを巻き込むことになってしまって」


「大丈夫です!萌果が颯杜さんたちを信じているから私も信じるし、頼りにしてます」


そういう話をしてその日は早めに就寝することにした


明日、話し合いが上手く行きますように…



  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る