第15話 話し合い
家の中に入った私は、とりあえず着替えをして居間に向かうとそこには皆が居た。
「萌果。なんで桐生に送ってもらったんだ?」
「帰ってる途中で会ったの。それで、最初は断ったんだけど…」
「けど?」
「私がいつも柚杏と帰ってること知ってて。それに…乗らなかったら柚杏がどうなるかって、言われて…」
「なにか聞かれたのか?」
「颯杜さん達の事と、私の事。でも、颯杜さん達のことは何も話してないよ!だってここの事は何も知らないし…知っていても安易に話しちゃダメだと思って…」
「そうか…」
しゅんっとする私の頭を優しくポンポンってして、抱き寄せてくれる颯杜さんに泣きそうになってぎゅーって抱きついた。
「も、萌果?」
「さっきね。本当は車に乗るの怖かったの…でもね、柚杏に何かあったらと思って、我慢して…」
私が声を震わせながらゆっくりそう話すと颯杜さんは私を抱きしめながら"うんうん"と話を聞いてくれた。
段々。安心感からか泣いてしまい、最後は疲れ果てて颯杜さんの腕の中で眠ってしまった。
「狛龍組は何を考えているんでしょうね?」
「さぁな。でも、ひとつ分かるのは桐生が狙ってるのが萌果だってことだな」
「さっきの萌果ちゃんの話からすると…気に入られちゃったってことですよね?」
「接触してきたってことはそうなんだろうな。」
「登下校の送迎しましょうか?」
「一葵、頼んでもいいか?」
「もちろんです。柚杏さんはどうしますか?」
「帰りは一緒に送ってあげて欲しい。」
「わかりました」
「もし、萌果に手を出すようなことがあれば…話し合いで解決出来ればな。ダメなら抗争も辞さないつもりだ。とはいえ、出来ればそれは避けたいから何事もなければいいんだが…」
私が寝てしまった後に、そんな話し合いがされていたなんて思いもしなかった。
「とりあえず、萌果を寝かせてくる」
そう言って颯杜さんは部屋に運んでくれた
「…萌果。お前のことは必ず守るからな。」
そう寝ている私に颯杜さんは守ると言ってくれて、おでこに誓いのキスをしてくれた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます