第22話 初デート

桐生さんとの事件から数週間後、今日は颯杜さんが遊園地に連れてい行ってくれるとのことでやって来た。


「遊園地…」


「嫌だったか?」


「そんなわけない!凄く嬉しい!」


「そうか、よかった」


颯杜さんは私が嬉しくないのかと心配だったようだが、私が"嬉しい"と言うと安心したように笑ってくれた。


「颯杜さん、どこから行く?」


「そうだな…萌果はどれから乗りたい?」


「えー?んー…じゃあ、ジェットコースター!」


「じゃあ、それにしよう」


回る順番を決めた私たちは早速乗り物に乗ったり、軽食を食べたりして楽しく過ごしていた。


「そろそろ帰るか?」


「最後に観覧車行きたい!」


「わかった」


「ありがとう!」


という事で、最後に観覧車に乗ることにした

遊園地デートの最後と言えば観覧車よね!


「乗車の際お気をつけてお乗り下さい。」


「はい、ありがとうごいます!」


先に颯杜さんが観覧車に乗り、手を差し伸べて私が乗る時に支えてくれた。


「颯杜さん、今日は遊園地に連れてきてくれてありがとう!」


「萌果が喜んでくれたなら十分だよ」


「えへへ…そう言えば、観覧車のてっぺんでキスをするとずっと仲良くいられるんだって!」


「そうなのか?」


「うん、まぁジンクスなんだけどね」


「でも、萌果は信じてるんだろ?」


「信じてるというか、ずっと仲良くしていられるならやってみたいなーって思って」


「なるほど、萌果は本当に可愛いこと言うな」


「そ、そんなこと…」


そう言って颯杜さんは頭を撫でてくれたけど、私は颯杜さんに可愛いと言われて、恥ずかしくなって下を向いてしまった


「本当、萌果は可愛いよ。他の男なんか見ないで俺だけ見とけ」


「え…?」


颯杜さんはそう言うなり、私の後頭部を押さえ逃げられないようにしてからキスをされた


その瞬間に観覧車は頂上に着いた


「萌果、愛してる。お前のことはこれから先、何があろうと俺の命を掛けてでもお前を守る。」


「颯杜さん…」


「だから、一生俺の傍にいて欲しい。必ず幸せにする。」


「はいっ」


「俺、意外と独占欲強いから覚悟しとけよ?」


そう言って笑った颯杜さんがカッコよくて思わずドキドキしてしまった。が、ふと思った。


「…それってプロポーズと受け取っていいの?」


「それでもいいが…いや、プロポーズはもう一度改めてする。ちゃんとしたいプロポーズがあるんだ。」


「そうなの?でも、さっきの言葉嬉しいけど、命はかけないで欲しい。颯杜さんが死んじゃったら…やだよ…」


「萌果…」


「パパとママみたいに、颯杜さんまで居なくなるなんて…やだ…」


「わかった。もう言わないから、そんな悲しい顔しないでくれ。それに俺はお前を置いて死んだりなんかしないから安心しろ」


「約束できる?」


「もちろんだ。」


「約束ね」


「約束だ」


私と颯杜さんと指きりをして 約束をした。

そうこうしている内に観覧車は一周して元の場所に戻ってきた。


「ほら、気をつけろよ?」


「うん、ありがとう」


先に颯杜さんが降りて手を差し伸べて来てくれて、私は安全に降りることが出来た。


そして、車で待っていてくれている一葵さんの所にみんなのお土産を買ってから向かった。


―車内―


「お帰りなさい。萌果さん楽しかったですか?」


「はい!すごく楽しかったです!一葵さんずっと待っていてくれたんですよね?疲れていませんか?」


「私は大丈夫ですよ。それに息抜きにコンビニに行ったりしてましたから」


一葵さんはニコニコしながらそう言ってくれた


「一葵、家まで頼む」


「了解しました。他にどこか寄るところはありますか?」


「俺は無いが…萌果はあるか?」


「私も大丈夫!」


「だそうだ、家で頼む」


「はい」


それから家に帰ってみんなへのお土産を渡すと駿さんだけが飛び跳ねて喜んでいた。


これからもこの幸せがずっと続きますように…



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