第23話 進路

昨日の初デートの翌日。

パパとママが亡くなって、私が牡丹組でお世話になってから色んなことがあったけど、そろそろ進路について本気で考えなきゃ行けない時期になってきた。


柚杏との帰り道、進路の話になった


「ねー…柚杏は進路決まった??」


「私は就職かなーって」


「そうなの?」


「そう。勉強なんて苦手だし、特にやりたいことも無いからバイトでもなんでもして、やりたいこと見つけようかなって」


「確かにそれもありだね」


「そういう萌果は決めたの?」


「私は進学!」


「へー。ちなみにどんな勉強したいの?」


「保育士やりたいのよね」


「萌果は子供大好きだもんね!」


「うん!でも、心配なことがあって…」


「なに?」


「颯杜さんたちのこと…」


「あーそういうのって社会的にはアウトなとこばっかりだもんね」


「うん…でも、私は颯杜さんたちのこと大好きだし…」


「そっかぁ…」


「一人暮らしでもしてみようかな?」


「え!?それって颯杜さんが許さないんじゃ?


「たぶんダメって言われる」


「あーだよね。」


「うん。でも、今まで周りの大人にたくさん助けてもらったから、1回は1人で頑張ってみたいんだよね!」


「まぁ、それはいいかもね!自立するってことだし」


「とりあえず、頑張って颯杜さんを説得してみる」


「うん!頑張れ!そう言えば初デートはどうだったの?」


「めちゃくちゃ楽しかったよ!プロポーズ的なのもあったし…」


「え!?」


私が頬を赤らめてそう言うと、柚杏はかなり驚いた顔をした。

まぁ、プロポーズなんて聞いたらそうか。


「え?プ、プロポーズ!?」


「でも、もっとちゃんとしたプロポーズを改めてするって言ってくれたし、今すぐ結婚とかじゃないし」


「まぁそうだよね。じゃあ、余計に説得大変じゃない?」


「でも、ちゃんとわかってもらうんだ!」


そういう話をして帰路に着いた。


―自宅―


「ただいまー」


「萌果ちゃんお帰り!」


「駿さん、ただいま!颯杜さんって今いる?」


「今はたぶん自室じゃないかな?」


「そっか。ありがとう!行ってみる」


「うん!」


駿さんにそう言って颯杜さんのどこに向かった。


颯杜さんの部屋の前に着くと丁度中から出てきた


「颯杜さん!」


「萌果、お帰り」


「ただいま!あのね、ちょっと相談があるんだけど、今大丈夫?」


「ん?あぁ、大丈夫だけど」


「ちょっと進路のことで話したい事があって」


「じゃあ、中で話そうか」


颯杜さんはにこっと笑って私を自室に入れてくれた。

今から私の颯杜さんを説得する戦いが始まる。



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