第13話 変化
昨日行ったドライブのおかげで、今日はスッキリした気持ちで登校できた
まぁ、教室に行っても誰も私に話しかけてこないから、結局は一人ぼっちなんだよね…
「…」
「あ、あのっ」
「何??」
「あ、えっと…お、おはよう!!」
「え…あ、おはよう。」
一人のクラスメイトが私に挨拶してくれた。
正直驚いたけど、すごく嬉しくなった。
「あの、今までごめんなさい。」
「え?いきなりどうしたの?」
「この前、萌果ちゃんの幼なじみの子が言ってること、確かにそうだなって思ったの。」
「…」
「正直、辛い思いをしたのは萌果ちゃんで。たまたまお世話になっている家がヤクザってだけで、それ以外は前と何も変わらないのに…」
「…無理もないと思う。」
「え?」
「私自身、最初は怖かったし慣れるまではずっと不安だった。でも、初日から皆優しかったの。だから今の家族を好きになれたんだっ」
「そっか…ねぇ、これからもクラスメイトとして仲良くしていきたいんだけど…いいかな?」
「もちろん!!」
その日、久しぶりにクラスメイトと話をした。
一人が話しかけてくると他の子たちも謝罪して"また仲良くしたい"と言ってくれた。
ただ、佐古さんたちはそれが面白くないみたいで他の子と仲良くしている私を睨んでいた。
「なにあれ。調子乗りすぎじゃない?」
「真菜花(まなか)、どうするの?」
「私にいい考えがある」
佐古さんが何かを企んでいることは今の私には知る由もなかった
放課後、また柚杏が教室に来て"一緒に帰ろう"と言ってくれた
「え!?クラスの子たち謝ってくれたの!?」
「そうなの、柚杏の言葉が皆に届いたみたいで」
「役に立てたならよかったよ!でも、ほらこの前の子」
「佐古さんのこと?」
「そう。あの子には気をつけなよ?」
「うん…」
「あんまり良い印象無かったから。何かされたりしたらすぐに私に言ってよね?」
「うん、わかった」
柚杏にはそう忠告を受けた。
出来れば佐古さんとも前のように仲良くしたいと思うけど、さすがに嫌われてたら無理かな?と思った。
でも、今日はクラスの子たちと久しぶりに話せたことが本当に嬉しかった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます