第12話 相談

あれから佐古さんは何も言ってこなくなった。

でも、嫌われていることに変わりは無いしクラスの子たちとも距離は遠い。


「萌果ちゃん、最近元気ないけど大丈夫?」


「瞬さん…」


「頼りないかもしれないけど話を聞くことは俺にだって出来るからさ!」


「ありがとう…じゃあ、話聞いてもらってもいい?」


「もちろん!」


私は最近学校であったこと、柚杏の事、今自分が思っている事などを話した


「そっかぁ…でも、萌果ちゃん良い親友持ったね!」


「そうですね、あの時は本当に柚杏が幼なじみの親友でよかったと思いましたね。何も変わらず接してくれたのは彼女だけでした」


嬉しいけど少し悲しくてなんとも言えない表情をしていたらしく瞬さんは心配そうに私を見ていた。


「また皆と仲良くなれたらいいんですけどね」


「きっと…大丈夫だよ。萌果ちゃんが良い子なのは皆わかってくれてると思うから」


「はいっ」


その後、瞬さんは"気分転換にドライブに行こう!"と誘ってくれて私が"行きたいです!"って言って颯杜さんに話したところ颯杜さんと綾人さん、一葵さんに猛反対されました。


「どうしてですか…?」


「瞬はな…ペーパーなんだよ」


「ペーパー…??」


「要するにほぼ運転したことないんだよね」


颯杜さんと一葵さんが苦笑いしながらそう言った


「運転したとしてもまだ3回くらいで、しかもかなり危ない運転なんですよ。さすがに萌果ちゃんは乗せられません」


綾人さんは悲しそうな顔でそう言った。


「そっかぁ…ドライブ…行きたかったなぁ」


「…瞬の運転はダメだが綾人か一葵の運転でならいいぞ?」


「本当!?」


「あぁ。俺はちょっとやる事があるから一緒には行けないが、気分転換しておいで」


私が悲しそうな顔で言うと颯杜さんが綾人さんか一葵さんの運転ならと言ってくれた。


颯杜さんと行けないのはちょっと寂しいけど、そう言ってくれたのは嬉しかった。


だから私は一葵さんに運転をお願いして私と瞬さんと一葵さんの3人でドライブに出かけた。


一葵さんの運転は安心出来るくらい心地よい運転で家に戻る時には寝てしまうほどだった。


久しぶりに何も考えず楽しい時間を過ごせた。

皆には感謝しかない

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