第5話 親友

=月詠(つきよみ)高校=


「ねぇ葉月さん。」


「…何?」


「葉月さんってヤクザになったって…本当?」


彼女がそう発言すると教室が静まり返った


「誰がそう言ったの?」


「いや…私も噂で聞いたから誰かは…」


「…私の許嫁がたまたま組長だっただけ。何か問題ある?」


「だって…ヤクザだよ?…怖いんだけど…」


「でも、私は今までの私と変わらない。別に危害を加えるとかそういうのは無いから安心して。」


「でも…」


「そんなに心配なら、私に関わらなければいいよ。」


私がそう言うとその子はムッとした様な顔をしてその場から立ち去った。


ただ、教室の雰囲気は悪くなってしまった。


そこに居たくなくて、私は屋上に向かった


―――――――――――――――――


屋上に向かうとそこには先客がいた


「あれ?萌果じゃん!」


「柚杏…」


彼女は如月柚杏(きさらぎゆあ)。私の幼なじみで親友の不良娘だ


「珍しいね。ここに来るなんて…何かあった?」


「うーん…まぁね(苦笑)」


「なになに!?恋の悩みか!?」


私はさっき教室であったことを話した


「そいつ何したいわけ?お世話になってる家がそうなだけで萌果は萌果じゃんな?」


「うん…でも、気にするくらいなら関わらなきゃいいかなって」


「私はずっと萌果の味方だから!」


「ありがとっすごく心強いよ!」


「そう?…ねぇ、今度さ家に遊びに行ってもいい??」


「え!?」


「一度行ってみたいんだよねー♪」


「うーん…颯杜さんに聞いてみる!」


「うん!お願い!」


私は久しぶりに柚杏と話してすごく楽しかった。

さっきあったことなんて忘れてしまうくらいに。

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