第24話

 へっ、なにそれ?


「元々は沖縄の方にいる妖怪というか死霊だな。股の下をくぐられると、その人間は死んでしまうんだ」


「え、死霊? じゃあ、さっきあのままハイハイで股の下をくぐられていたら、私」


「うん、死んでいたと思う」


 思わず全身の力が抜けてへたり込む。こんなにかわいい赤ちゃんが死霊だなんて。私を殺そうとしたなんて。あ、でも……


「でも、この赤ちゃんを預けたのって私の旧友だよ」


「じゃあ、その旧友の名前を言える?」


「言えるに決まってるでしょう。幼馴染なんだから、あれ、えっと」


「言える訳ないよ、きっとあの女も人間ではないから」


「な、なんで」


「多分、神力の低下したこの家の屋敷神である俺を食べて、力を得たかったんだろうね。それで、お供えができる存在の沙耶から殺そうとしたんじゃないかな」


 普段からちゃんとお供えして、拝まないからこうなるんだよと、大はブツクサ言っている。


「この赤ちゃんどうすればいいの?」

大にブサイクな抱き方をされている赤ちゃんを見ながら訊いてみた。

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