第23話
私の声と同時に聞こえた大の声。危ない、沙耶、って何よ。私の何が危ないの。
大の方を見ると、必死の形相で赤ちゃんの足を掴んでいる。
「はぁ、あんた何やってんのよ、赤ちゃんの足を放しなさいよ」
「バカ言ってんじゃねぇ。放したら沙耶が死んじゃうだろうが。それより、早くお供えの水を」
やっぱり脳がいかれたか。あれ、もしかして私がお供えとかしなかったから?
やっばい、私、神様を認知症にしてしまったの?
「頼む、早く、沙耶。神力が少ないからもう持たない」
必死の形相で私に訴える大。掴んでいる赤ちゃんの足を持つ手が震えている。
掴んでいる?
「何であんた、赤ちゃんの足を掴めるのよ。人間には触れないはずじゃ」
「そうだよ、だからコイツは人間じゃない」
この超絶美形の赤ちゃんが人間ではないですと。
危ない、ビックリしすぎて思考が飛んでいってしまった。頭ではまるで理解できていないが、私の本能が体を動かして神棚のお水を新しくして手を合わせた。
「よし、もう大丈夫だよ、沙耶」
そう言ってきた大の方をみると、ぎこちなく赤ちゃんを抱いている大の姿があった。
「大、その赤ちゃんって」
「この赤ちゃんは、アカングワーマジムンだよ」
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