第20話

「いや、その、この前買い直したパンツをまだ全部把握してなかったから、つい」


「お前が私のパンツを把握する必要はなーーーーい」


「わかった、わ、わかった。もうパンツはあきらめる。だから、なんとか供え物を」


 床に額を擦りつけながら、大が嘆願してくる。大は本当は超絶イケメンの屋敷神なのだが、普段は覗きなどに対する私の警戒心を緩ませるために子供の姿になっている。ヤバい、大が子供なのは、見た目だけのことなのだが、優しい私はついつい同情して許してしまいそうになる。


 母性なのだろうか。どうも子供には弱い。くそぅ、大の作戦にすっかりハマっているんじゃないかと最近思う。どうしても最後は許してしまうんだな。


 最初に大に会ったのは、私の最大のリラックスタイム、そうお風呂でだ。入浴剤で白濁したお湯からにゅ〜っと作務衣姿の美形の男の子が出てきた、これが初対面だった。心臓は止まりそうになるし、実はちょっとチビった。お風呂の中でのチビリだから誰にもばれないと思って今まで黙っていたが。そんな私は、羞恥心と怒りで我を忘れてその場で大説教を食らわせてやった。我も忘れたが、全裸だということも忘れていた。

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