第3章 謎の赤ちゃん

第19話

 さっきから仁王立ちの私の前に正座してうなだれている男の子。


「何回言ったらわかるのかしら」


「すいません」


「その頭の中はからっぽなのかしら」


「すいません」


「お風呂は覗いたらダメだって何十回も言ってるよね、このセクハラエロ神」


 私の名前は、森沙耶もりさや。資産家だった祖父母が亡くなり、この家に移り住んだ。その直後、父の海外転勤に母もついていき、この家で当主として一人暮らしが始まる……と思っていた。しかし、そうではなかった。この家には、一柱が住んでいる。この大きな家に相応な大きな神棚に祀られているすみついている屋敷神のだい。この家が建った時から憑いているからかなり古い神様らしい。


 この屋敷神の大がとにかくエッチなのだ。何回言っても、私のお風呂やトイレを覗きにくる。今もお風呂覗きの罰で、すでに五日間お供えをあげていない状況下での覗きの重犯である。


「もう五日間お供えなし期間の延長ね」


「うっ、すいません。反省してます。本当に。だいぶ神力も弱ってきているし、せめて水だけでも」


「はあ、じゃあ何でまたお風呂覗いたのよ」


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