第31話

 神棚の前に、青年の姿の大と着物を着た美形の子供が座っている。


「沙耶は神気に当てられてしまったみたいだね」


「今回はありがとうございました。本来なら存在を滅せられるはずなのに、神に転生までして頂いて。これからもママのそばにいられます」


「玉の徳があったからな。そんなに難しくはなかったよ」


「座敷童子になって分かりました。貴方様は」


「ここではただの屋敷神の大だよ」


「そうでしたね。セクハラエロ神の大さんでしたね」


「こら、玉、お前、ここでは俺のことはお兄ちゃんと呼べ」


「ええ、いいんですか。いや、その、分かりました兄様」


「兄様……久しく聞かない呼ばれ方だな。いいだろう、これからも沙耶のために二人で頑張っていこうな」


「はい、よろしくお願いします」


「後、沙耶の前ではその話し方はダメだぞ」


「心得ています」


「じゃあ、普段の姿に戻るか」


「はい」


 一瞬光りを放ち、子供の姿に戻った。

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