第8話
「沙耶〜、お風呂入ろうよ〜」
「こんな帰ってきて、すぐにお風」
あっ、そうだった。買ってきたあれを試してみよう。
「そうだね。確かに今から入っちゃおうかな」
私がそう言うと、大は目をキラッキラさせて満面の笑みを浮かべている。おい、鼻の穴ふくらんでるぞ。いやらしいこと想像しているだろ、このエロ神。
脱衣所に向かい、扉をしっかりと閉めてからお風呂場のドアにさっき買ってきたものを貼り付けた。
「これで大丈夫でしょ」
私は安心して、全裸になりお風呂を堪能することにした。
「久しぶりだなぁ。こんなに、のんびりとお風呂に入れるなんて」
ドアの方からは、ドタンバタンと音が聞こえるが気にしない。
「お〜い、沙耶。入れないんだ。ドアを開けてくれないか」
開けるか、バカ。お前をお風呂に入れないために三千円も出して御札を買ってきたんだから。
「沙耶〜、この御札があると風呂場に入れない。剥がして〜」
剥がすか、バカ。私のお風呂の安全を守る大切な御札だ。っていうか、なんでお風呂に一緒に入ろうとするんだ、どの家の神様もこんな感じなのか。
「くそっ、こうなったらコレを使ってパワーアップをしてやる」
何を使ってパワーアップしようとしてるんだ。そんなドーピング材料はこの家にはないぞ。
ドーン
「うげぇ」
パワーアップは失敗したらしい。
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