第24話 最後の遊び

「……そうですね」


 アンコも危険だと分かっているようだったが、「私も行きたいです! 連れて行ってください!」と洗い物を終え、こちらに向かってきた。アンコは少し天然なのだろうか、先程、机を拭いていた台拭だいふきをタオル代わりに使い、手をぬぐった。


「いや。危険すぎる! 少し考えようぜ。ちなみに時鳥図書館ほととぎすとしょかんには、どのくらいで着くんだ?」 アンコに聞くと。



「大体ですけど、車で数日かかります!」

 アンコは新しく買った携帯を取り出し、調べていた。想像以上に遠かったが、1人でいけないこともないなと考えていた。


「今日はもう解散しようぜ。疲れた……」

 そう言いかけたが、すでに机ではトランプが置かれていた。メロンは俺に鋭い目を向け。

「……逃げるんだね」

「……面白い。やってやるぜ!」


 そこから盛り上がってしまい、2時間ほど4人のトランプ大会が開催されてしまった。大体、頭を使うゲームや心理戦になると負けるが、運が必要なゲームでは俺は負けなかった。


 メロンの負けず嫌いが発動し、気付けば長時間遊んでしまった。

 あと長時間になったのは、オータムのせいだろう。


「みんなトランプってなんで52枚あるか知っているかい?」と問いかけ始めたからだ。俺たちは何度も聞いていたが、アンコは初めて聞くので「なぜなんですか?」と聞き返した。



「それはね。AからKまでの一三枚のカードは、四季の13週を表し、トランプが52枚なのは1年が52週であることを表す。そして、トランプの52枚の数字を合計すると364になり、これにジョーカーを1枚加えて1年の365日になるんだ。それから……」

 

 延々と話が続いた。途中で話を止めてもよかったが、オータムが不機嫌になるため、我慢した。


 それにアンコがなぜか目をキラキラさせて、話を聞いていたので、止められなかった。その間、メロンは俺に勝つための戦術をっていた。



「よし。終わろうぜ!」

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