第13話 作戦

「大丈夫だよ。いざという時は助けてね」

 メロンはニコッと笑顔を作った。


 しばらくするオータムが身をかがめながら帰ってきて、作戦を話し出した。


「昼飯時間があるということは、きっとトイレに行く休憩時間きゅうけいじかんもあるはずだ。休憩時間があると仮定すると、その際には警備がかなり薄くなる」

「休憩時間を狙うのね! それから?」

「男女に分かれるであろうトイレ休憩の時に、フィン! 男子トイレに行き、警備の注意を引き付けてほしい」

「お……おう! 任せとけ!」

「ちなみに女子トイレは部屋を挟んで反対側にあるから、それなりに距離はあるからね。安心していいよ!」

「おう! ……なんとなくわかったぜ!」



 監視員の警戒が低くなった隙に彼女を連行するといったものだった。メロンの勘を信じて、小さい防護服が女性であると決めつけた作戦だ。


 分かりやすい作戦だなと思ったが、上手くいくのだろうか。俺の役割がかなりの重要性があるなと感じていた。待っている間に、メロンは寝そうになっていた。一方、オータムは2階に人が来ないかを集中して警戒している。


 オータムの言葉通りに首輪が細いグループが動きだした。慌ててメロンを起こして1階に移動した。


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る