第22話 とろとろオムライス

「これってフィンさんですか?」

「そうだよ。この時は可愛かったよね」

メロンはそう言いながら、笑っていた。


「他にもおもしろい写真があるんだよ」と別のアルバムも出してきた。

「こちらが博士なんですね。この方は?」

「えっとね。これは昔の同級生……アーセだったかな」


 メロンは思い出しながら話した。懐かしい昔話を延々と話をしていた。まだ話を聞いていてもよかったが、空腹には耐えられず。

「頼まれた食材置いとくぜ」とわざと音が出るように勢いよく机に置いた。


 メロンから依頼を受けた際に預かった紙にこう書いてあった。


『具材は、タマネギ、卵、にんじん、鶏のモモ肉。米はまだ備蓄用びちくようがあるので、いりません』あいつが書いたというよりはアンコが教えてくれたレシピを書いているだけだ。


 それでもまだ2人は楽しそうに話を続けている。確か俺たちが家を出たのは2時間前だよなと、オータムと一緒に時計の針を再確認した。やはり2時間は経っていた。


 ようやく重い腰をあげ、見た目とは違うアンコのテキパキとした料理を作る段取り、包丁さばきのおかげでオムライスが完成した。言うまでもなく、メロンはアンコの指示通りに動いていた。



 出来上がりも、完璧かんぺき。ふわふわの半熟卵はんじゅくたまごはトマトソースのかかった米の上に乗り、スプーンで卵の真ん中を触ると中にたまっていた旨が溶け出した。絶品ぜっぴん

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