第4話 Factory〇?
博士の家の中は一切争った
だが、先日の博士の話を聞いたこともあり、オズワルトと呼ばれる集団が仕掛けた
俺がメロンとオータムを博士の家に呼んだ。呼んだ理由はいくつかあったが一番は医者のユダがメロンに手渡した紙の内容についてだった。ユダがこっそりとメロンに渡したので、その場で見るのは何かいけない気がしてしまった。その為、何を書いているのかを確認していない。
「メロン、大丈夫か?」
病院でもメロンは精神的にも参ってしまったのかフラフラになっていたので、心配だった。だから、今日集めたという意味もあった。
「うん。その時の記憶はあまりないんだけど、今はもうだいぶ落ち着いたよ。ありがとう。フィンから言われた通りに紙持ってきたよ。怖くてまだ開けてないけどね」
メロンは持ってきた紙をズボンのポケットから取り出し、木のテーブルの上に置いた。
紙にはうっすらとではあるが、何か黒い文字で書いているのが透けてわかる。
「じゃ開けるぜ」
『まずコーヒーを飲みなさい。
そして、Factory へ〇』
「へ……」
遺書的な言葉や、誰かに殺されたと暗示するダイイングメッセージを想像していたので、
しかも『Factory』と書かれているがこの記号はなんだろう。これが事件の手がかりとなる鍵なのだろうか。
手紙とにらめっこをしていると、オータムはコーヒーを淹れようとしていた。オータム曰く、紙にはコーヒーを飲めと書いていると言い切った。
普通はみんなで手紙はどういう意味だと話し合うだろと心の中で呟いていた。少しいじけているとメロンがじっと俺の顔を見て『Factory』が分からないと笑った。何で笑っているのか理解できなかった。
「お前にはわかるのかよ!」
「え! わかるよ!」
焦った表情をみせたメロンは辺りを見渡し、博士の本棚に走った。背の高い本棚をじっくりと見渡した。
本棚には沢山の本があり、ダーウィンやジェームズといった著者の本が並べられており、その中でメロンがお目当ての本を探すのに苦労しているようだ。
しばらくすると「あった!」と大声を出した。
メロンの身長では届かない高い場所に置いてある本を近くにあった椅子を駆使してお目当ての本を取った。
「これ……ほらここに!」
本のページをめくり、これはGame世界にあった国の言葉だと得意気に教えてくれた。凄いなと言うと少し照れながら、「博士から教えてもらったんだ」と
「博士だったら、えらいえらいって言って頭を
気が付くとメロンの目からポロポロ涙がこぼれていた。オータムは静かに、下を向いてぼそっと呟いた。
「この前の博士の話を聞いて、死因が心臓麻痺と言われれば……」
「どういうことだよ」
恐らくオータムも同じ考えを抱いていたかもしれない。
「博士との会話をしたこともあって、タイミングが良すぎるだろうと。しかもメロンに対してこんなダイイングメッセージを残した……。話していたオズワルトが関係している可能性もゼロではないと思わないかい?」
「たしかに! 博士は昨日ピンピンしていたよ。絶対おかしいよ。そう思わない? フィン!」
確信したかのような表情で俺を指さした。その頃にはメロンの涙は止まっていた。
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