第19話 1人で答えを出してはいけない

『突然の手紙を

 書く。

 考えることを忘れるな。 

 運命に逆らえ。

 人間を疑え。

 遺伝子よりもその人を信じろ。

 決して一人で答えを出すな。出せば、世界

             は変わらない』



「よく分からない内容じゃねーか。誰からの手紙だよ」

「フィンへのお手紙かな? そうだ。カギも近くに落ちていたよ!」


 俺だけでなく、今回はメロンにも理解できない手紙のないようで安心した。


「この字は博士の字だね。ただ、文の意味はよく分からないね。でも、なんで博士はわざわざ手紙でこっそりとしかも、暗号みたいにして俺たちにメッセージを送っていると思う?」


 オータムはある程度推察できているようだ。


「そりゃ……あれだろ。直接的なメッセージは恥ずかしいし、博士クイズ好き――」


 俺が言い終わる前には、オータムは絶対に違うと首を横に振っていた。


「仮に僕たちじゃない誰かに見られても大丈夫なように――」

「カモフラージュね!」

 メロンがオータムに答えた。オータムは嬉しそうにメロンを指さした。


「でも、誰に対してなんですかね?」

「それは……国かオズワルトの可能性が高そうだね。そして、その近くに落ちていたカギもその図書館に持っていく必要があると思うね」


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る