第39話 最終話
「『ワープゲート』って、何で俺様が人間のいう事聞いてんだ!?」
「ヴェル、とりあえずお前はここに残ってろ。リナも大神には色々あると思うから一緒に行くか?それ以外のみんなはここで待っててくれ」
「ん~、そうだね、僕も一発大神は殴っておきたいし、一緒に行くよ」
「そうか、じゃあマロン、ちょっと大神を殴りに行ってくる」
「エルク、行ってらっしゃい」
「エルクよ、よくここまで来たsぬdふぁいhぅい!!」
「よし、とりあえず大神は一発殴ったし、俺はこれで気が済んだ」
「エ…エルクよ…会って…そうそうなぐvbぃあえf;かhふぃあjfぺm!!」
「ふーすっきりした。これで僕もしこりが取れたよ」
「お…まえ…たち、…すこ…しは話し…を聞…けない…のか…」
「ああ、とりあえず一発殴ったし、これから話をするぞ、じいさん」
「………ふー、とりあえず話をさせんか。お前たちには悪い事をした。神になって間もないエルクをマリアが洗脳していたのは後で第四大神より聞いた。儂もそうじゃが、大神の管理に問題があった。申し訳なかったな」
「そうか、まあ過ぎた事だし、一発殴ったし気にするな」
「殴る前に話を聞いてほしかったのじゃが…。ところでエルクにリナよ、お前たちは神界に戻ってくる気は無いか?あるなら儂の権限で神界に戻す事は可能じゃが?」
「いや、今の生活が気に入っているから結構だ」
「僕もエルクやマロン達と過ごすの楽しいから、神界には戻らないよ」
「そうか。して、今回こんなところまで来たのは殴りに来ただけではないだろう?他に何かあるのかのう?」
「ああ、俺たちは魔王に関しても服従させ、魔王側からの攻撃は無くなった。ついでに神側からも魔王討伐を人間に課すのはやめてもらいたい。神や魔王にとっては知らんが、俺たち人間にとっては、どちらか片方が滅んでも住みにくい世界になる。だから、これからは神界・魔界で争わず、共存を希望する」
「ええじゃろう。儂も正直わざわざ魔界側を滅ぼす必要は無いと思っているからな。儂の権限で魔界側とは和解し共存を持ち掛けるさ」
「ずいぶんとあっさり願いを聞いてくれるんだな。今までの神が全然話を聞かないやつばかりで意外だったな」
「マリアやヴェルの様に好戦的な神もいるが、温厚な神も多数いるからな」
「じゃあ、俺たちは運悪くハズレばかりに会って来たんだな」
「ん~温厚な神は襲ってこないし、僕たちが乗り込んだから好戦的な神が寄って来たってもあると思うけどね」
「まあ、そうか。とりあえずじいさん、そんな訳で和解は任せたぞ。あれ達は地上に戻るとするか。俺とリナは戻るから、じいさんゲートを開いてくれ」
「まったく神使いが荒い人間じゃのう『ワープゲート』ほれ」
「ありがとうな、じいさん。じゃあな」
「ただいま」
「おかえりなさい、エルク」
「さてと、大神とも話は終わったし、これからは神界・魔界で争う事も無いだろうし、俺たちは地上に帰るとするか」
「はい、帰りましょう」
地上に帰った俺たちは、今までと特に変わる事の無い生活を送っていた。
いや、変わらない訳でも無いな。
マロンは魔王討伐が無くなった事で聖女であり続ける必要が無くなった。
職業を変える事は出来ないが、聖女としての責は無くなった。
今はファミリエのメンバーとして活動もしていない。
いずれは復帰予定だが、今は身体に障る為休養中だ。
マロンのお腹には新たな命が宿っている。
レンゲやリナ、ミラもファミリエのメンバーとして冒険者活動やマロンの世話をしている。
「お姉ちゃん、何か欲しい物はありませんか?」
「大丈夫だよレンゲちゃん。私だって普通に動けるからさ」
「でも、無理はダメですよ、お姉ちゃん」
「はいはい。あっ、そう言えばエルク、リナとミラとはどうなんですか?」
「ん~それなんだが、ミラも出来たみたいなんだ」
この世界、一夫多妻は一般的だ。
通常は正妻に側室といった感じだが、俺は誰か一人を一番に選ぶなんて出来ない為、全員を同列に妻として扱っている。
レンゲに関しては妹の様に感じているので、今は妻とはなっていないが、最近少しづつ意識するようになってきたので時間の問題かもしれないが…。
「そうなんですね、おめでとうございます」
「リナに関しても、少し怪しい感じはあるから、しばらくは俺とレンゲの二人で冒険者はしていく事になるかな」
「お兄ちゃん、私頑張るね!!」
レンゲは両手で拳を作り、笑顔で答えていた。
「さてと、魔王の脅威は無くなったけど、魔物は普通に出てくるし、今日も冒険者として頑張るか。じゃあ行ってくるな。行こうかレンゲ」
「はい!!」
そう言って、俺はレンゲの手を握り、今日も今日とて魔物を討伐していった。
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