第18話 奴隷のお買い物
奴隷商の中は薄暗く、沢山の椅子が用意されていた。
沢山の椅子の前には舞台があり、そこはライトで照らされているので商品の紹介をするところだろう。
椅子に座って少し待っていると、様々な奴隷が部隊の上に上がって来た。
モンスター、亜人、人間など様々な種族が奴隷として舞台に上がってくる。
舞台に上がってくる奴隷たちは、基本的に裸に首輪をつけられ鎖でつながれている。
基本的に裸なのは、今後買われた際の上下関係をこの時点で身体に植え付けるためのようだ。
年齢も子供から老人まで様々だ。
「うーん、あまり見ていて気持ちのいい物でもないな」
「まあ、奴隷商ですからね。奴隷の扱いなんてどこも大差ないですよ」
「それに、粒ぞろいと言っていたが、特に目ぼしい子も見当たらないけどな」
「商人は基本商売で言ってるので、誇張はしてますからね」
そんな事を話していると、一人気になる少女が出てきた。
歳は10歳ぐらいだろうか、その子の目に引き込まれてしまう。
右目は黒く一般的だが、左目は海のように透き通った青色をしている。
髪も左目同様青いが、目よりは若干暗い色をしている。
ただ、先に出てきたグラマラスな美人奴隷と違い、まだまだ子供、それに出るとこは何も出ていないとあって、この少女には全く買い手がついていない。
「なあマロン、あの子を買ってみようかと思うけど、どう思う?」
「正直、オススメはしないです。他に買い手がつかないのも理由は分かりますし」
「買い手がつかない理由?」
「ええ、この国では目の色が左右で異なるのは呪われているからと言われています」
「ほお、呪いか。まあ、俺はこの神とか呪いとか、何にも信じちゃいないけどな。マロンがオススメしない理由もそれか?」
「うーん、呪いであれば解けば良いのですが、一応私は聖女なので、大々的に奴隷買いましょうとは言えません」
「あー、うん、そうだな。じゃあ俺の判断で買うって事で」
「私はノーコメントでお願いします」
「わかった。じゃあ、買いの手続きをしてくるから、待っててくれ」
「この子を買いたいんだが、値段はいくらになる?」
「この子を買うんかい?あんたも物好きだねー。この子なら銅貨10枚でいいぞ。長く売れなくて困ってた所だしな」
他の奴隷、グラマラスなおねーさんが金貨5枚で売れていたので、銅貨10枚なんて、はっきり言ってタダと変わらない値段だ。
まあ、グラマラスなおねーさんは、連れて帰ってそのままアッチの奉仕だろうから価値が高いのかな、買ったのも貴族みたいな奴だったし。
女の奴隷を買う理由なんて大半がそれも目的の一つだし、俺も男だから気持ちがわからんでもないが。
おっと、当然こんな小さい少女にそんな事をするつもりはないぞ、今はまだ。
少女を買った俺は、別室で待機していた。
そこに奴隷商と服を着た先ほどの少女がやって来た。
「基本的には奴隷の刻印を押しますがどうします?いらないって方もいますので確認ですが」
「ん?そんな刻印はいらないぞ。それよし少しこの子と話がしたいから、二人にしてもらってもいいか?」
「わかりました。どうぞごゆっくり」
そう言って奴隷商は部屋を後にする。
部屋を出る際、物好きを見るような眼をしていたが、俺は決してそれを目的とはしていない。
「さてと、まずは名前からだな。俺はエルク。冒険者だ」
「僕はリナ。ただの呪われた奴隷だよ。エルクは何の目的で僕を買ったの?」
「そうだな、目的は無い。リナのその青い目が気になったから買った。それだけだ」
「ふーん。まあいいや。とりあえずズボン脱いで。二人で話したいってそう言う事でしょ」
そう言って、リナは俺のズボンに手をかけ、ボタンを外そうとした。
「はい、ちょっと待とうか。俺はそんな気はない。本当にただ気になっただけだぞ」
「そうなの?別に今までもしてきた事だし、僕は奴隷だから何でもするよ」
「リナ、その年でどれだけの経験をしてきたんだ…」
「僕はまだ処女だよ。いつも手と口で奉仕してきただけ。僕を買ったご主人は数日のうちに死んじゃうから、セックスなんてしてないよ」
「おう、そんなマジもんの呪いみたいな事があったんか」
「だから、エルクも売るなら早めに売った方がいいよ。死にたくないなら」
「大丈夫だろ。仮に呪いならマロンに解除してもらうし。だからリナは俺たちの仲間になれ」
「仲間?僕はエルクに奉仕をするために買われた奴隷でしょ?」
「いや、仲間だ。そして奉仕は望んでないからしなくていい。それとさりげなく全裸になってるけど服を着なさい」
「だって、奉仕するならやっぱり全裸でしょ?エルクは幼女趣味の変態と思っていたけど違うのか」
そんな事を言いながら、リナは脱いだ服を集めて再度着る事になった。
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